マルチ・ジャンルの音を奏でるバンド〈レイク・ストリート・ダイヴ〉のリード・ヴォーカルとして知られるレイチェル・プライスと、ギタリスト/シンガー/作曲家であるヴィルレイとのデュオ・プロジェクトの2作目。細野晴臣や桑田佳祐が自身のラジオ番組で紹介するなど、その普遍的な音楽性の魅力にじわじわとロングセラーを続けている前作と基本的な方向性は同じ。楽曲はヴィルレイによるオリジナルがほとんどだが、その雰囲気はまるで往年のスタンダード・ナンバーかのような円熟味を感じさせる。心地良いヴィンテージ感で暖かみのあるサウンド、シンプルかつ洗練されたアレンジが絶妙。
レイク・ストリート・ダイヴのレイチェル・プライスと、生まれる時代を間違えたような異能のギタリスト、ヴィルレイのコンビがまたしても快作を届けてくれた。制作場所をNYからLAへと移したこの2作目には、ジャッキー&ロイを思わせる小粋なデュエット曲が並んだ前作とは打って変わって、ビッグバンドを伴ったゴージャスでリッチなスウィング・ナンバーが横溢し、オールドタイミーな音作りへの探求心をもう一段階レヴェルアップさせた印象を与える。聴覚的快感度の向上ぶりも顕著で、ヴィルレイのダン・ヒックスばりの飄々とした歌声が光る“Just Two”などまるで雲の上にいるような聴き心地だ。ジェフ&マリア・マルダーやニルソンのエヴァーグリーンな名盤の横に並べてしっかり愛し抜きたい。