ジャズの世界で〈小曽根〉といえばピアニストの小曽根真が思い浮かぶが、本作の主役、小曽根啓はその実弟であり、関西をメインに活動してきたサックス奏者。1964年生まれで、1982年にボストンのバークリー音楽院に学んだ実力派。この初リーダー作は、兄の小曽根真がプロデュースを担い、大フィーチャーされており、ベースには中村健吾、ドラムスには高橋信之介というお馴染みの面々が顔をそろえたワン・ホーン・カルテットで聴かせる。ソプラノ、アルトとサックスを曲によって使い分け、意欲溢れるオリジナル5曲の他スタンダードを含む全9曲で構成。ソプラノ・サックスの澄んだ音色が清々しい。