4面見開きデジパックのジャケットを飾っているのは、屏風のような横長の絵。風船かソラマメのような頭の人々が思い思いに踊っている「Disco」なるこの絵を描いたのは英国人現代画家ピーター・マクドナルド。そもそもこの4年ぶりの新作も、3年前に金沢21世紀美術館で開催された 「ブロック・パーティ」をテーマにした彼の展覧会で、絵の前でのライヴを依頼されたことが大きなモティーフになっているのだとか。バッファロー流ブロック・パーティ(街の同区画の住民が集まって楽しむストリート・パーティ)を謳った豪華2枚組である。ディスク1にはオリジナル曲を、ディスク2には様々なクリエイターによるリミックス曲を収録。「コネクション」と「こんにゃく」の折衷造語であるアルバム・タイトルも、様々なつながりと柔軟な創造性を信条としてきたバッファローらしい。
全体的にエレクトロ・マナーが濃厚で、パーティ的どんちゃん騒ぎとは無縁のダークなトーンが目立つが、そのシリアスさが逆に彼ららしさでもあると改めて思う。ディスク1では、カヒミ・カリィの仏語語りや米人ラッパーpismoによるゴスペルちっくな黒いコーラスもいい彩りを添えているが、やっぱ最大の目玉は坂本慎太郎の歌がフィーチャーされた《Love & Food》か。エレクトロ・ファンクというか原始テクノ風のサウンドにねっとりと絡みつく坂本の歌は、期せずして、バッファローがこの20年間辿ってきた道、更には彼らが本質的に抱えている日本らしさをも炙り出してくれているようだ。チボ・マット&ネルス・クライン、相対性理論の永井聖一、砂原良徳、しんなりちゃんなど多彩なゲスト陣によるリミックス・ワークを集めたディスク2もサーヴィス満点。個人的には、坂本慎太郎関係でも有名なサイケ大王・石原洋による、ウィンナ・ワルツとドローン・ノイズを一緒に煮込んだような白昼夢のごときトラックの暴虐さに爆笑させてもらった。