2019年に惜しくも他界したノーマン、1988年から1998年の間に残した未発表音源が日の目を見ます。“トリスタンとイゾルデ”の抜粋のスタジオ録音、小澤征爾、ボストン響とのコンサートからベルリオーズ“クレオパトラの死”他。そしてレヴァイン、ベルリン・フィルとの“4つの最後の歌”。マズア、ゲヴァントハウス管盤が名高いですが、こちらではライヴということもあるのか熱を帯びた抒情性が際立っています。聴く人全てを包み込む彼女の歌、ソプラノの範囲をはるかに超えた音域と作り出す音楽のスケールの大きさ、他に類のない名歌手の演奏に新たに触れられることを喜びたい。