ヴォーカリスト&ウード奏者ダファー・ヨーゼフの作品は、ハービー・ハンコック(キーボード)、マーカス・ミラー(エレクトリック・ベース)、デイヴ・ホランド(ベース)、ヴィニー・カリウタ(ドラムス)のベテラン陣に加えてNU Jazz世代のアンブローズ・アキンムシーレ(トランペット)参加の未来に飛翔する。ロンドンがリードするジャンルに一矢を報いる、中近東の汎地中海音楽の影響を感じさせる本作は、進化したグルーバル・ミュージックであり、逆に言えばチュニジアが持つ独自の文化背景が反映された。ウードの使い方も新感覚となっており、今までの〈イコール中近東〉と違う、西ロンドン派とは異なる〈21世紀の牧歌ジャズ〉の雰囲気が伝わってくる。かなりいい。