タンゴを多角的にとらえ、特に近作ではミニマリズム的にシェイプアップさせることでそのドラマチック性、奥に秘めた普遍的感情をむき出しにしてきた鬼才ディエゴ・スキッシが、自身に最も影響を与えたタンゴの革命者ピアソラの楽曲集を出すというこのヤバさを理解してもらうにはどうすべきか……。現時点で“Michelangelo 70”しか聴けてないがそれでも大傑作になることは明言できる。そもそも強調されたアクセントと複雑なリズムの絡み合いが特徴のこの曲をここまで極端にパーカッシヴに仕上げるなんてスキッシ以外不可能。ピアノ、バンドネオン、コントラバス、ギター、ヴァイオリンによるスリリングなリズムの応酬。