ラルフ・タウナー、ECMデビュー50年目を迎え、昨年録音された新譜がリリースされた。“At First Light”。意味は夜明けだが、Lightには様々な意味があり、Firstの意味を乱反射する。だからこのギター・ソロのアルバムは、回顧的な響きがするし、何かに向かう新たな決意も感じる。ビル・エヴァンス・トリオに刺激されピアノを弾いていた彼がギターにもピアノと同じ可能性を感じ専念し始めた頃から彼の頭の中にあった響きが、ここにあるのだろう。オリジナルに加えて、3曲のスタンダードが取り上げられている。“Danny Boy”を爪弾く、彼の指は確かにピアニストのよう。終曲が“Empty Stage”と題され、切なさが滲む。
ラルフ・タウナー(Ralph Towner)『At First Light』ギターの響きが新たな決意感じさせるECMデビュー50年目に放つ新作
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ジャズ