アコースティック・ギター2本によるマジカルな世界。昭和初期に東京下町に実在したはんこ屋の一日をモチーフとした、シンプルでレトロな音楽が展開される。ギタリストで作編曲家の助川太郎と、おなじくギタリストで作曲家の田中庸介という2人のコンビネーションによるギター・ワークは繊細なハーモニーから時にパ―カッシヴでザクザクとしたストロークまで変幻自在に音を紡ぎ出す。その手法はどこか南米音楽の影響や現代音楽のエッセンスが垣間見えるもの。ポップな3曲目“Pop’n morning”では終盤にエレクトリック・ギターが効果的に入る展開も。アコースティック・ギターの醍醐味たっぷり。