2021年にLa Dolce Voltaレーベルからシューベルトのピアノ作品集をリリースしたルイサダ。待望の新作は、自身が敬意を評しているというパイジェルや両親に捧げる映画音楽作品集。物語の中で流れたクラシック音楽を基本に構成されている。映画の虜のきっかけとなった名作「ベニスに死す」。マーラー“アダージェット”はタロー編曲による。10分24秒に及ぶルイサダの奏でるその演奏は、映画のワンシーンを脳裏に思い浮かばせる美しき調べ。そして、演奏同様注目されたいのが、ライナーノーツに記載されているルイサダ自身の解説だ。実に奥深い内容が語られている。必読です。
ジャン=マルク・ルイサダ(Jean-Marc Luisada)『今夜は映画館で』「ベニスに死す」など劇中で流れたクラシックを取り上げた映画音楽集
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