三輪眞弘、岡田暁生「配信芸術論」ポストコロナ時代に専門家たちがこれからの音楽表現の在り方を問いなおす

2023.12.25

観ること、聴くことから、肌感が、〈フィジカル〉が奪われる事への戸惑いが、広がる。感染症対策が聴衆をコンサートから阻み、配信というメディアが、演奏結果を外装することから解放し、浮遊し始めた音楽から、表現行為という磁力が引き寄せた観衆すら、いつもの軌道から遠ざけ始めた。リモートという方法に〈必用、緊急〉に可及的に頼らざるを得ない事態が何をもたらすのか、議論が沸騰した。この本を監修する作曲家三輪の「三輪昌弘大祭ー清められた夜」は、この選択肢を積極的に用い、この本に収められたそうした議論の前衛を形成した。感染症対策が契機となったこの作品は、浄化という普遍的な問題を突き、その伝達手段は音楽の本質的な問題を指す。

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