Page 2 / 4 1ページ目から読む

自分たちらしく歌えるようになった

 石田ショーキチの書いた楽曲からは、いまや伝説的ユニットとなったScudelia electroで発表した“一万マイルの彼方へ”と“猫に願いを”が取り上げられている。

石田「“一万マイルの彼方へ”は、私のバンド、Scudelia electroが2003年に発表した(現時点での)ラスト・アルバム『ELECTROCKS』収録の曲です。メンバーから私の曲を何かカヴァーしたいとの申し出があり、この曲をチョイスしました。Scudelia electroの時はサルソウルのダブル・エクスポージャー(“Ten Percent”で知られるフィラデルフィアの男性4人組グループ)のコーラス・アンサンブルを真似て私一人で多重録音しましたが、いまの町ガにこのフィラデルフィア・ソウルのアンサンブルを歌わせたいな、と考えたのです」

あいね「サビまで主旋律1人に対して全員でハモる曲は町ガ史上、“一万マイルの彼方へ”が初めてではないかと思います。Aメロ、Bメロ、サビ、それぞれの声の良さが際立っていてとても良い仕上がりになっていると思います」

ひより「“猫に願いを”は、まちだガールズ・クワイアが〈まほろ座MACHIDA〉で毎月行なっている定期ライヴ〈まちだガールズ・クワイアの水曜日はWednesday!!〉でのライヴ音源です。この曲は、メンバーの年下2人、ほのかとのぞみがフィーチャーされたとてもかわいらしい楽曲で、ライヴで盛り上がれるとファンの方からも好評です。特にアウトロの通称〈わんにゃん合戦〉が好評で、ステージ上のメンバーに負けず劣らず、客席でファンの方々も猫派・犬派に分かれてわんにゃん合戦をしていらっしゃるのを見るとみんな仲良しだな~と私たちもほっこりします」

 セルフ・カヴァーは“恋するポルカドットポルカ”(2016年のセカンド・シングル)と“プラネタリウムのある町で”(『オリオン座流星群』収録)の2曲。いずれも人気ジャズ・ユニット、矢舟テツロートリオとの共演だ。

もえか「一度ライヴでセッションしたときに心底楽しかったので、レコーディングもすごく楽しみにして臨みました。“恋するポルカドットポルカ”は原曲の歌声の若さやアコーディオンの音色で可愛らしさ全開の印象ですが、今回のジャズ・アレンジでは少女が少しだけ大人になったような印象です。“プラネタリウムのある町で”は矢舟テツローさんの作詞作曲ということでもともとジャズ・テイストだったので大きく印象が変わることはないですが、こちらもライヴで歌ってきて『オリオン座流星群』の時より自分たちらしく歌えるようになったように思いますし、生バンドとの共演でこの曲の完成形と自信を持って言える出来映えです」

あいね「初めてジャズ・アレンジを聴いた時はあまりにもオシャレに変化していて衝撃を受けました。ライヴ1回で終わってしまうのはもったいないなと思っていたので、音源に残すことができてとても嬉しかったです。生バンドで歌うのはとても楽しかったです」