グループの進化と物語を確認できる映像作品の登場!
東京の南の端、町田市をベースに活動するアイドル・グループ、まちだガールズ・クワイア。石田ショーキチ(Spiral Life他)がメインとなってプロデュースを手掛ける楽曲たちは、名前に〈クワイア〉とあるように、コーラス・グループとしてのチャームを中心に据えたもの。彼女たち自身もパフォーマンスを重ねていくなかで歌の奥深さや楽しさを実感しながら、ファンと時間を共有してきた。昨年夏には結成から5年を迎えたところだ。
えりか「最近はお客さんを入れてのライヴがなかなかできなくて、配信ライヴを行ったりもしてたんですけど、こういう状況になったことで、映像を自分たちで編集して届けるとか、歌を伝える新しいスキルを身につけました」
もえか「SNSでの発信をいままでより積極的にやってみたり、メンバーで集まってSHOWROOMを始めてみたり。そんななかで去年の4月にシングル“Moon base”を出して、今回のMV集。〈作品を届ける〉ということでファンのみなさんには安心感を与えられているかなって」
そのMV集というのが「STORIES」。昨年9月21日に町田市民ホールで開催した5周年記念のワンマン・ライヴを、キャパシティー1/3の入場者制限を受けて〈撮影イヴェント〉とし、その時のパフォーマンスを盛り込んで編集された映像を中心に、新録8編を含む13編を収録。
ひより「あまりライヴができてないなかでの撮影だったので、まず、うまくパフォーマンスできるのかなっていう不安も正直ありましたけど、始まってみたらみんな笑顔で楽しめてるなあって、完成した映像を見て思いました。私たち自身、〈お客さんに届ける〉っていう意味をあらためて認識した瞬間だったと思います」
本編前半は、“GO! GO! クワイア・ガール”を皮切りにシングル曲がリリース順に並び、ヴァラエティーに富んだ曲、ひいてはグループの進化を再認識できる。
さきこ「“銀河ステーション”(19年4月リリース)を機に、〈銀河進出への道〉というテーマのライヴ・シリーズを始めたり、カッコイイ路線も加わったと思うんですね。それによってすごく表現の幅が広がったし、逆に、カッコイイのを歌えるようになってからカワイイ曲を踊ると、また違った表現ができるようになっていたりっていう、進化もあって」
あいね「“銀河ステーション”以前の曲たちも、もちろん素晴らしい曲なんですけど、何かみんなでコンセプトを決めて、そこに向かっていくのも楽しいよねっていうことで、最初の目標が〈宇宙〉だったんです。そこから銀河をめざす旅がはじまりまして、今も目指している途中なんですけど、ライヴの演出や振り付けを考えたりすることがより楽しくなりました」
えりか「映像がついたことによって、私たちの持ってる曲の幅の広さが一段と伝わりやすくなった作品だなって思います。プロデューサーの石田も〈シングルを出すたびにコーラスもどんどん複雑にしていってるんだよ〉と言っていて、まちガの成長も一緒に楽しんでもらえるようになっていますね」
新録の映像には、町田の街を巡るカットやリリックのインサートなど、パフォーマンス・シーンだけでなく〈作り込み〉のおもしろさも楽しめる。
ほのか「“はるかぜリップ”はシングルを出した直後(17年4月)にもMVを公開していて、そのときも街を巡りながらだったんですけど、今回もそのときと同じ景色で撮ったり、“涙のサンディ”では、うしろに暗幕を張った状態で、メンバーは動かず、カメラに向かってひたすら歌うっていう画を撮ったり」
もえか「今回も映像をレーベルメイトであるPLASTIC GIRL IN CLOSETの高橋祐二さんが編集してくださったんですけど、ライヴ映像の他にもいろいろな素材を組み合わせていただいて、一曲一曲ぜんぜん違うカラーが出てるし、おんなじメンバーで撮っておんなじ人が編集しているんだけど、曲によってこんなに表情が出るんだな、こんなにいろんな曲をやってきたんだなって感じさせられましたね」
のぞみ「市民ホールでのワンマンは、撮影イヴェントということにはなってしまったけど、成功できたことがまず嬉しかったですし、5周年イヤーは7月まで続くので、それまでにもっともっといろんなこと、このご時世だからこそできることを全力でやっていきたいし、もっとレヴェルの高いものを作り上げて、それをドカーッと届けていきたいと思っています」
まちだガールズ・クワイアの近作。
左から、2020年のシングル『Moon base/Bohemian Rhapsody』、2019年のDVD「町ガ vs 市民ホール THE MOVIE まちだガールズクワイア SUPER LIVE @町田市民ホール」、同年のシングル“銀河ステーション”(すべてSAT)