絶好調の勢いに乗る彼女たちが次に届けるのは、ヴォーカル・グループとしての本領を発揮した最高のカヴァー・アルバム第3弾! お馴染みの名曲たちは美しいコーラスでどう生まれ変わる?
それぞれの新境地
絶賛を博した前作『オリオン座流星群』からちょうど2年。東京都・町田を拠点に活動を続ける女性6人組ヴォーカル・グループ、〈町ガ〉こと、まちだガールズ・クワイアのニュー・アルバム『MGC CLASSICS vol.3』がリリースされた。時代やジャンルを超えて名曲に取り組む好評のカヴァー楽曲シリーズ〈MGC CLASSICS〉の、約5年ぶりとなる第3弾だ。選曲には『vol.1』『vol.2』以上に〈攻めの姿勢〉が打ち出されており、洋楽曲の英語カヴァーから、ジャズ・アレンジによるセルフ・カヴァー、プロデューサーを務める石田ショーキチの楽曲、アカペラ“Bohemian Rhapsody”のいっそうパワーアップした新録音など、さらに視野の広がった音作りを楽しむことができる。絶好調の勢いを詰め込んだ新作について、メンバーたち、および石田Pの意気込みを紹介したい。
石田ショーキチ「世界中の名曲を独自のコーラス・アンサンブルで表現することが当団の基本手法です。『オリオン座流星群』に続く作品として、お馴染みの名曲を圧倒的なコーラスワークで再現する最高グレードのカヴァー・アルバムを!との野心にて、制作いたしました。当団の作品はすべて私がコーラス・アンサンブルを書いていますが、本作では(映画『天使にラブソングを』で知られる)“Hail holy queen”のみ原作のアンサンブルで歌っています。この曲はメンバーからの希望で採用しました」
えりか「初のセルフ・カヴァー、聖歌の収録、英語の歌詞の作品が多数など、初めてづくしのアルバムです。グループ名のクワイアには〈聖歌隊〉の意味があるけれど、それがよく伝わる作品になったかなと思います。いままでは〈ソロ回し〉とか、パートごとでAメロやBメロを歌うことが多かったのですが、カーディガンズのカヴァー“Carnival”ではメンバーを3人ずつのグループにして1番と2番を歌い分けています。また、のぞみがアルト・パートに初挑戦していたりと聴かせ方の面でも新境地があります」
のぞみ「“Carnival”は本当に挑戦しがいがありました。町ガが歌ってきた曲の中でいままでにないテイストの曲でした。とても大人っぽくて、雰囲気など本家にどうしたら近づけられるのかすごく悩みました」
ほのか「英語の曲はいままでけっこう歌ってきましたが、“Hail holy queen”や“Carnival”、(ビーチ・ボーイズの)“Wouldn't it be nice”などけっこう難しい曲だったので、少し歌い方に苦戦したりしました。どの曲もどの世代が聴いても〈あれ! これ聴いたことある!〉となってくれるかもしれませんが、アイドルがカヴァーしているのはあまり聴いたことがない気がします。それを私たちがショーキチの作ったハーモニーで歌うのは新境地かなと思いました」
ひより「〈クワイア〉とグループ名についているので、いつか讃美歌に挑戦したい気持ちがありました。“Hail holy queen”を収録できたことは個人的に新境地というか、大きな一歩だったかなと思います。宗教音楽の和声は単純なようで奥が深いので、これからもぜひ挑戦していきたいです」