エキゾでドリーミーなサウンドが気持ち良すぎ~、街や山で話題の3人組!
〈チョ コ パ コ チョ コ キン キン〉と読む。この呪文みたいな名前のバンドを、昨年〈朝霧JAM〉や〈FESTIVAL de FRUE〉で知り、気になっていたというリスナーも多いだろう。Daido(ヴォーカル/キーボードほか)、Yuta(ベースほか)、So(DJ/ギターほか)から成る3人組は、2020年頃から活動をスタートした。
「もともと幼馴染なんですけど、コロナで遠くへ行けなくなり、状況を見ながら近所でまた遊ぶようになったんです。公園で踊ったり、スケボーしたり、ドライヴしたり。その流れで曲を作るようになりました」(Daido)。
そのように制作した楽曲をYouTubeやSoundCloudなどに公開すると、エキゾチックかつドリーミーなサウンドが話題に。そして、2023年に配信したファースト・アルバム『tradition』が、このたびCDとLPで登場。特に影響を与えているのは中南米の音楽だという。
「中学生のときに『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』を映画館で観て、キューバの街や音楽に夢中になったんです。その後、キューバのハバナ大学に留学したんですけど、現地のサンテリアという信仰に衝撃を受けて、儀式に使われるパーカッションにも惹かれました」(Daido)。
ポコポコとしたパーカッションにファットな打ち込みのビートが重なるリズムは、彼らの大きな魅力。電子音楽もルーツのひとつだという。
「親の影響で、幼少期からダフト・パンクやエイフェックス・ツインを聴いていました。初めてクラブに行ったのは、アクフェンの来日DJです」(Yuta)。
「二コラ・クルースが好きで、呪術的で怪しげな雰囲気ながらモダンに聴こえるところにシンパシーを感じています」(Daido)。
レフトフィールド・テクノ的な雰囲気の“秩父”から始まる『tradition』は、ファンキーなシャウトが炸裂する“15 Eunomia”、スペイシーなローファイ・ポップ“Moon Dance”、ガット・ギターによるフォーク“Quarantine Mood”など、ユニークで人懐っこい。CD版には“キューバ”のダブ・ミックスもボーナス収録されている。
「“秩父”が出来たときは上手くいったと感じました。奄美の〈六調〉という島唄とリズムが似ています」(Daido)。
「“15 Eunomia”は15拍子の曲をやりたいと思って取り組みました。“キューバ”のダブ・ミックスはダブワイズのシステムを持っている友達の家で、ミキサーをいじらせてもらって作りました。プリンス・ファッティの動画で勉強しながら作業して」(So)。
「基本は楽曲制作からデザイン、MVまですべて3人で完結させています。なので、お金がかかりません。今後は国内外のいろんな場所に行って、現地のミュージシャンと交流しながら曲を作ったりしたいです」(Daido)。
関連盤を紹介。
左から、ニコラ・クルースの2019年作『Siku』(ZZK)、ダフト・パンクの97年作『Homework』(Virgin)