主に初期のデジタル録音を中心にSACD化を行う日本コロムビア音源のORT企画に、待望のインバルが登場。一連のマーラー録音が世界的に大成功となった後、インバルがデジタル録音の発展性・可能性を視野に入れた上で、ベルリオーズを次に選択したことは想像に難くない。壮大で緻密なオーケストレーションを捉える録音が当時のコロムビアと実現できたことは録音史に残る偉業である。このレクイエムはその先鋒とも言える録音で、超巨大な作品を収録したこのアルバムは演奏面でも評価され、発売時レコードアカデミー賞を受賞。その名演・名録音が今回SACD化され、さらなる録音の可能性を見出した。