好評のロウヴァリのシベリウスだが、勢いでも何とかなってしまう名曲“交響曲第1番・2番”録音での評価だったので、〈本当かな〉とうがった見方をしてしまっていたが、最もシベリウスらしい渋い交響曲第4番でも細やかでクリスタルのように美しいサウンドで奏でていて説得力ある名演。第3楽章は静寂の中のチェロやフルートソロの良い緊張感を生み出し、第4楽章は繰り出される速い楽節の構成とその受け渡しがとても素晴らしく、目眩く場面転換を表現している。カップリングされた“森の精”は知名度は低いが“ポヒョラの娘”“エン・サガ”が好きな方にお薦め。指揮者のリズム感の良さが際立つ。
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ(Santtu-Matias Rouvali)、エーテボリ交響楽団『シベリウス:交響曲 第4番、森の精、悲しきワルツ』クリスタルのように美しいサウンドで奏でられた説得力ある名演
