これまでも様々なスタイルでルーツを振り返りながら新しい地平を切り拓いてきたベーシスト、アヴィシャイ・コーエンが最新作で満を持して挑むのはフル・オーケストラとの共演。これまでも室内楽アンサンブルとの共演でクラシックとの接近を見せつつ温めてきた構想の実現にスウェーデンのエーテボリ交響楽団、ピアノに近年の作品でお馴染みアゼルバイジャンのエルチン・シリノフ、そしてドラムにかつての黄金トリオ、再結成ツアーも話題になったマーク・ジュリアナを迎えた盤石の布陣で臨む。寄せては返すオケとピアノトリオの攻勢、哀愁の歌心、気付けば大きな波のうねりに飲まれている、圧倒的大作だ。