〈DIGITAL era〉第1弾に選ばれたテンシュテットのEMI音源。これは聴かずにはおれない! ベルリン・フィルとの第4番(81年)は当セッションのさなかでの演奏会ライヴも残っている。いかなる時も全力投球のテンシュテット、ベルリン・フィルとの真剣勝負が窺えるのがこの“ロマンティック”。カラヤン時代のベルリン・フィルに鬼気迫る筆致が注入され、大団円の重厚ぶりなどは運命的な破局を思わせる。ロンドン・フィルとの第8番(82年)はセッションでありながら、妥協を許さぬテンシュテット。ギリギリの飽和寸前、ロンドン・フィルが全力の献身で応える。第1楽章展開部での追い込みなどは、迫真の姿が露わになる壮絶の瞬間。