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コラム

『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ベルリン』映画音楽の巨人と世界最高峰オーケストラの幸福な〈遭遇〉を完全収録

世界最高峰の〈名人集団〉と映画音楽の幸福な〈遭遇〉

 つい先日(2022年2月8日)90歳の誕生日を迎えたばかりのジョン・ウィリアムズ。これまでにアカデミー賞受賞5回(※ノミネートは52回を数え、ウォルト・ディズニーに次いで2番目に多いとか)にグラミー賞受賞25回など、数々の栄光に輝く(誰もが認める)映画音楽の巨匠であり、ワーグナーやR.シュトラウスら後期ロマン派のスタイルを継承するクラシックの現代音楽・作曲家。そして長年音楽監督を務めていたボストン・ポップスを始め、アメリカの主要オーケストラでタクトを振ってきた偉大な指揮者でピアニスト。スティーヴン・スピルバーグ監督との長年にわたる最強コンビ(※最新作の「ウエスト・サイド・ストーリー」2021年版でもミュージック・コンサルタントを務め、サントラのライナーノーツに素敵なメッセージを寄せている)などは誰もが知るところだが、かつてジュリアード音楽院時代には学業の合間に、ニューヨークのクラブやスタジオでジャズ・ピアノを演奏して、かのヘンリー・マンシーニと友情を築いたとか、ジェリー・ゴールドスミスやエルマー・バーンスタインら往年の“神様”たちともミュージシャンとして一緒に仕事をしていたりと、その夢のようなエピソードは枚挙にいとまがなく、名実ともに音楽界の〈生きる伝説〉なのは今さら言うまでもない。

 しかもこのレジェンドの、ここ数年(米寿あたりから)の大いなる輝きっぷりには目を見張るものがある。2019年公開の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のスコアを完成させて有終の美を飾ると、2020年1月18日と19日にはクラシックの殿堂であるムジークフェライン(ウィーン楽友協会)大ホールの指揮台に立ち、名門ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、自作曲を演奏するスペシャルなコンサートを成功させたのだ。その模様は同年CDやBlu-ray盤、LPレコード盤などでリリースされ、アルバムは世界のチャートを席巻。我が国でも第35回日本ゴールドディスク大賞〈クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー〉を受賞し2020年で最も売れたクラシック・アルバムとなった。

JOHN WILLIAMS, BERLINER PHILHARMONIKER 『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ベルリン』 ユニバーサル(2022)

 そして今度は、そのウィーン・フィルと双璧をなす世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を自ら指揮するコンサートが2021年10月14日~16日に実現。この度、その全貌を(曲間の楽曲紹介も含めて)完全収録した2枚組CDとBlu-ray盤が登場した。しかもプログラムはオープナーの“オリンピック・ファンファーレとテーマ”を筆頭に“「遥かなる大地へ」組曲”、「ハリー・ポッターと賢者の石」からの3曲、“スーパーマン・マーチ”とウィーン・フィル盤と殆ど被りなし。注目のスター・ウォーズものとしては、2018年のスピン・オフ作品「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のために書き下ろしたテーマ曲(※それまで人気キャラクターであるハン・ソロ単独のテーマはなかった)など、盛り沢山。

 ウィーン・フィル盤ではスター・ヴァイオリン奏者のアンネ=ゾフィー・ムターをゲストとして招いていたのも目玉だったが、本盤でもベルリン・フィルが誇る首席チェロ奏者ブリュノ・ドルプレールが独奏を披露する〈チェロとオーケストラのためのエレジー〉(※ブラッド・ピット主演の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のスコアから主題が採られているのだとか)が深く胸を打つので聴き逃せない。そしてアンコールの〈お楽しみ〉“帝国のマーチ”の演奏を2つの楽団で比較してみるのも一興……ウィーンもベルリンも会場のお客さんは同じように大興奮状態なのだが。

 


ジョンへ
Happy happy 90th Birthday!
思えば知り合って50年以上!
タングルウッドで、それからもちろんボストンでの楽しい思い出がよみがえってきます。
最初に出会った頃、ジョンは指揮するのをためらっていたのに、それが90歳を前に、ベルリンに飛んでベルリン・フィルを指揮するとは!
君はずっと大切な友であり、ほんとうに特別な仲間です。また一緒に音楽をしよう。
With much love and deep respect,
Seiji
小澤征爾(指揮者)

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