「AKIRA」公開35周年を迎えた2023年、東京・大阪で行われたセル画展の会場内でのみ聴くことができた〈幻の音源集〉がついにCD化。山城祥二が主宰を務める芸能山城組によるオリジナルの劇伴は、作品内の時間軸=〈2019年のネオ東京〉の得体の知れないカオスを表現する上で欠かすことのできない要素だった。本作は大友自身が選任した久保田麻琴、小西康陽、蓜島邦明がそれぞれリミックスを施しており、アニメ劇半の範疇からはみ出しながら、各リミキサーが最新の「AKIRA」サウンドにトライした作品とも言える。大友克洋の作品が古びない理由、その答えの1つをこのリミックス集から知ることができるはずだ。