©Søren Lynggaard Andersen

北欧伝統音楽界をリードする3人組がニュー・アルバムをひっさげて来日!

 デンマークを拠点としてヨーロッパの伝統音楽シーンを牽引しているドリーマーズ・サーカス。ルネ・トンスゴー・ソレンセン(ヴァイオリン)、アレ・カー(シターン)、ニコライ・ブスク(ピアノ&アコーディオン)からなる3人組で、それぞれがクラシック音楽の教育も大学レベルで受けており、かつポピュラー音楽にも深い造詣を持っている。彼らはこの10月に約2年ぶりの来日公演を行う。

 グループのフロントマン的存在であるルネは、若くしてコペンハーゲン・フィルハーモニックのコンサートマスターを務めた経歴を持ち、デンマーク弦楽四重奏団の第一ヴァイオリン奏者として現在もクラシックの第一線で活躍する。カルテットはバッハやベートーヴェンをはじめとするクラシックの本流に取り組みつつ、民俗音楽を探求する試みも行っており、8月に発売される最新作『Keel-Road』は故郷の伝承曲からアイルランドのオキャロランの作品までもをカヴァーする意欲作である(レコーディングにはドリーマーズ・サーカスのメンバーも参加している)。クラシックの繊細さと伝統音楽の力強さを巧みに操る演奏が彼の最大の持ち味だ。

 スウェーデンのスコーネ地方でフォーク・ミュージシャンの一家で生まれ育ったアレ・カーは、シターンのほかフィドルの演奏にも優れ、リクスペルマン(スウェーデンの音楽家に与えられる称号で、〈国民的フォーク・ミュージシャン〉的な意味)にもなっている。ライブではシターンでサウンドのボトムを支えつつ、スコーネ地方の伝統楽器クロッグ・フィドルをはじめ、珍しい楽器をいくつも披露して観客を楽しませてくれる。

 ピアノとアコーディオンのほか、ルイ・アームストロングに憧れてトランペットも学んだというニコライは、作曲家・編曲家としてもジャンルを問わず引っ張りだこで、デンマーク国内のミュージック・アワードで10回を超える受賞歴を持つ。ドリーマーズ・サーカスではバンドのサウンドをスタイリッシュにまとめあげている。

 9月には待望の最新アルバム『Handed On』が発売予定。日本ではゲーム音楽の第一人者、光田康典とのコラボも実現させている彼らのステージでは、北欧伝統音楽をベースとしつつも、より多くのリスナーにアピールできるソフィスティケイトされたサウンドが披露されるはず。伝統音楽ファンはもちろん、クラシックやジャズのリスナーもぜひ注目してほしい。

DREAMERS’ CIRCUS 『Handed On』 PLANKTON(2024)

 


LIVE INFORMATION
ドリーマーズ・サーカス 来日公演2024
2024年10月19日(土)千葉・船橋市民文化創造館(きららホール)
2024年10月20日(日)福井・ハーモニーホールふくい
2024年10月23日(水)東京・銀座 王子ホール
2024年10月24日(木)山形・山形県郷土館〈文翔館〉
2024年10月25日(金)東京・渋谷区文化センター大和田 伝承ホール
2024年10月26日(土)埼玉・所沢市民文化センターミューズ
https://www.plankton.co.jp/dreamers/#tourdate