
カバーで心がけるのは原曲の魅力と独自性のバランス
――3曲目は、ちょっとスペーシーなオリジナル曲“Cosmic Maze”。
「結構ジャミロクワイをイメージして作ったような曲ですね。深海と宇宙ってなんか似てるというか、下に行くか上に行くかの違いで。 SF映画も好きなもので(笑)。
途中にベースソロがあって、ライブだともっともっと尺を長くするんです。この間、ドイツツアーに行ってきたんですけど、向こうでこの曲をやったらベースソロが終わる時の拍手と歓声がすごくて。
この手のインスト曲はとくに、緊張と緩和みたいなのをずっと繰り返して演奏したいなっていうのはずっと思ってるんですけど、この曲でうまく表現できたかなと思います」
――スティーヴィー・ワンダー“Master Blaster (Jammin’)”のカバーは、原曲のレゲエからファンクへと大胆にリズムを変えたアプローチですね。
「このディスコビートみたいな感じ、かなり気に入ってますね」
――こういう解釈もあるのか、と膝を打ちました。ディスコビートだけど、それでいてレゲエのフィーリングもどこか感じられるというか。
「僕がカバーする時に心がけているのが、あまり変えすぎないようにするというか、原曲のよさをなるべく入れたいっていう思いがあって。今のような感想をもらうとすごく嬉しんです。ただのコピーになってもつまらないし、なるべく変えたいけれど、やっぱりいいところはいくつか絶対に残す。そのバランスは大事にしているつもりです」
4つ打ちビートを人力グルーヴで演奏
――アナログ盤だとB面の1曲目となる“Through The Night”は、踊るような演奏が楽しいラテンフレイバーな楽曲ですね。
「今日取材で話していて気付いたけど、今思うと、この曲なんかは結構U.F.O.からの影響を受けている感じはしますね。曲を作っている時に参考にしたわけではないんだけど、ビートは4つ打ちでベースラインがずっと同じで、その上でコードが展開していく。このハウスっぽい感覚というか。自分としては、そういうアプローチはもちろん好きで。打ち込みみたいな感じのビートにしたい曲もあったりするんです。あまり生々しすぎても、うちのバンドには合わない気もするから。機械で作ったビートを、人力でやってるような感じは好きですね」
――ライブバンドではあるけれど、リズムがループすることの気持ちよさを弁えた演奏ですよね。Nautilusというバンドが、いかにクラブミュージックの影響下にあることが表れているというか。続く“’Round Midnight”は、セロニアス・モンクの名曲ですが、アップテンポでファンク色が強いアレンジになっています。
「ジャズのスタンダードには好きな曲がたくさんあるので、アルバムごとに何かしら1曲は取り入れたいなと思っていて。“’Round Midnight”は、基本的にはバラードで演奏する曲なので、こういうアップテンポでやること自体が珍しいですよね。でも、作ってみたらすごくしっくりきて、これは面白いなと。
4つ打ちではあるけど、ラテンっぽい感じもあって。前の曲の“Through The Night”とちょっと繋がってるような感じを出したかったんです。また、冒頭の“Sunrise”からの時間経過をイメージさせるような意味合いも込めて選曲しました」