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艾怡良(Eve Ai)

日本初ライブで真骨頂を発揮したシンガー艾怡良(Eve Ai)

2組目は艾怡良。金曲奨を2度受賞し、ソウルフルな歌声で知られる実力派シンガーです。台湾で高い人気を誇り、SNSでも多くのフォロワーを抱える彼女がステージに登場すると、会場からは大きな歓声が湧き上がりました。今回、ライブの前には、艾怡良が日本のファンのために最新アルバム『我的問題該問誰』を一緒に楽しむ〈試聴イベント〉を開催しました。

試聴イベントで最初に発表された曲は“那時有你(This is Heartbreak)”で、艾怡良自身が出演するMVとともに公開されました。イベントはマネージャーとのトークショー形式で進行し、艾は犬の散歩中に本楽曲のサビを思いついたエピソードを明かしました。「思いついてから数分経った後も覚えていたので、意味のある曲だと思い、急いで書き留めました。私はこれまで〈Heartbreak〉(失恋、傷心)について直接的に歌ったことはなかったのですが」と語り、本作が特別な曲であることを強調しました。

最新アルバムの収録曲“我的問題該問誰”と“給她的話”を聴き終えると、ステージはライブセットへと変化。日本でのライブは「今回がはじめて」という艾怡良。この日は台湾人のベーシストとギタリストも参加し、トリオ体制での演奏となりました。ギタリストを紹介する際、「彼は独身だけど、電話番号は自分で聴いてね!」とジョークも飛ばすなど、トップスターらしい余裕と貫禄を感じさせます。

ライブセットの1曲目は、イギリスのシンガーソングライター、ダフィーの楽曲“Mercy”のカバー。艾は観客に向かって「手拍子をお願い!」と呼びかけ、腰を振りながら全身で歌い、瞬く間に会場の空気を温めます。その存在感は圧倒的で、本家のダフィーに負けず劣らずのハスキーで声量豊かなボーカルに加え、随所にフェイクやアドリブを織り交ぜるなど、冒頭からボーカリストとしての真骨頂を存分に発揮しました。

2曲目は最新アルバム収録曲の“怎麼演怎麼不像”。スラップ奏法のベースが印象的なファンキーな楽曲で、観客の多くが体を揺らしていました。そして3曲目“我們的總和”の曲名を告げると観客から大きな歓声が上がりました。金曲奨で3部門にノミネートされた本楽曲は、理性的な男性を理解しようとする感情的な女性の葛藤を歌った、アコースティックなバラード曲です。

そして最後の曲はブルージーなスライドギターが特徴的な“空頭支票”。黒人音楽を愛する艾らしい、味わい深い締めくくりとなりました。その後のインタビューで艾は、「タワーレコード渋谷店のようなアイコニックな場所でライブができることを誇りに思います」と喜びを語っていました。

 

洪暐哲(WAJI)

観客と自然体で交流するマルチタレント洪暐哲(WAJI)

2日目、最初にライブを行ったのは洪暐哲。台湾発のオリジナルBLドラマ「VBLシリーズ」の「Stay By My Side」(原題:免疫屏蔽)で主演を務め、主題歌“牛頓與蘋果”を歌い、人気が急上昇した、大注目のマルチタレントです。

〈台湾音市〉のコーディネートを行っているBees Factory(蜜蜂工房)のゼネラルマネージャー、張恭懷(ブルース・チャン)直々の紹介で登場した洪。すぐに最初の曲“最勇敢的事”のイントロが始まります。本楽曲は台湾のシンガーソングライター、張傑(チャン・ジエ)が作詞作曲を手がけた抒情的なバラード。当初、洪の声からは緊張が感じ取れましたが、それがむしろ楽曲の儚さを引き立ててもいましたし、その少し揺れのある繊細な声質自体、洪の特徴であることにも気付かされます。また、ジェスチャーを交えながら観客をしっかり後部まで見渡して歌う姿にも誠実さが感じられ、好感が持てました。

その後、MCを行い、スマホの翻訳アプリを使いながらできる限り日本語を話そうとする姿が初々しく、観客の心を掴みます。そして、2曲目“下雨天”のピアノイントロが始まります。この楽曲は張が作曲を手掛け、オリジナルは梁心頤(ララ・ヴァロニン)が歌唱した作品です。洪の中性的で繊細な歌唱と非常に相性が良く、途中で韓国語バージョンを披露するというサプライズもありました。

続いて、洪はBLドラマ「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」(原題:關於未知的我們)のエンディングテーマである“怪咖”を披露。華麗なストリングスが印象的な壮大なバラードで、洪は力強い歌声を響かせるとともに、クールなだけではないエモーショナルな一面も垣間見せます。

MCとクイズタイムでは洪が出題したクイズに正解した観客がステージに上がり、一緒に写真を撮るという参加型の催しで大いに盛り上がりました。続く4曲目は、戴佩妮(ペニー・ダイ)が作詞作曲したアップテンポなロックチューン“非你不可”。アグレッシブな伴奏と洪の歌声のコントラストが絶妙で、バラードが続いていたセットリストに新鮮な風が吹き込まれました。

5曲目は“牛頓與蘋果”。オリジナル歌唱が洪ということもあり、自然体で楽しみながら歌っている様子が伝わってきます。最後に披露されたのは、宇多田ヒカルの“First Love”。洪の声に非常にマッチしており、原曲の持つイノセントな魅力を見事に引き出していました。また、洪のファルセットの美しさが際立ち、観客から大きな拍手が沸き起こりました。その後のインタビューで、洪は「実は緊張していました」と明かしていました。また、「演技も音楽も、どちらも自分にとって大切なものです。アジア全体を視野に入れた活動を展開していきたいです」と、その野心を語りました。