Page 2 / 2 1ページ目から読む

雑多な音楽性と独自の映像表現で魅了するラテン音楽の新星

更に“Mi Sombra”“Cono Hielo”とヒットシングルを連発。トラップ、レゲトン、R&B、ニューディスコ、クラウドラップ……2010年以降の、目まぐるしく移り変わるトレンドをかき混ぜてひと掴みにしたような雑多な音楽性で、確実にリスナーを増やしていく。それぞれソロ活動にも積極的で、特にカトリエルの2022年のソロアルバム『EL DISKO』はラテン・グラミー賞にもノミネートされた意欲作。

とりわけ2022年にリリースした、軽やかなハウスビートと戯れるようなフックがキャッチーな“PAGA DIOS”は最高だ。謎のパンキッシュなセレブ老婆らとイチャつくだけのMVも含めて、彼らのキンキーな魅力が一発で伝わるだろう。

そして2024年にはカトリエル&パコ・アモロソとして初のフルアルバム『Baño María』をリリース。15,000人の観客(日本で言えば武道館クラスだ)を集めた大規模なコンサートも成功させる。また日本でも人気なアルゼンチン出身の歌手ナティ・ペルソ(Nathy Peluso)のアルバムにも“TODO ROTO”という曲で客演。更に、〈Tiny Desk Concerts〉にも出演し、こちらも話題に。それぞれのソロ曲も含むこのセットは、ミュージシャンとしての彼らの力量がストレートに出ている素晴らしいパフォーマンスだ。

プエルトリコ出身のバッド・バニーを筆頭に、近年、新世代のラテン系ラッパー/アーティストへの注目度はにわかに高まっている。ペソ・プルマやカロルGなどの綺羅星のような才能が続々と登場する中、カトリエル&パコ・アモロソもその流れをくむ、期待の新星と言えるだろう。フジロックをきっかけに、日本でも広く人気を得るかも知れない。

 


LIVE INFORMATION
FUJI ROCK FESTIVAL ’25
2025年7月25日(金)26日(土)27日(日)新潟・湯沢町 苗場スキー場
オフィシャルサイト:fujirockfestival.com