次々とビートチェンジするダンス・ポップ“魔性の女A”に象徴されるカラフルなサウンドメイクと変幻自在の歌声、編曲だけでなくMVもみずからプロデュースするセルフ・プロデュース力――ポップスターとしての才気に溢れた自作自演家の初アルバム。ボカロっぽいアッパー・チューン“合法パンチ”や沸々と燃え上がるダーク・ポップ“Not Queen”といった勝気な側面が目立つ一方で、痛切なピアノ・バラード“最愛”やドラマ性の高い“学級日誌”での歌力やメロディーセンスからは、刺激の強さだけでは終わらない普遍的な魅力が感じられる。そのすべてが混ざり合う様はまさに〈eMulsion=乳化〉。