2024年8⽉16⽇(⼟)、17(⽇)の2日間、東京と大阪の2会場で〈SUMMER SONIC 2025〉が開催される。洋楽・邦楽のビッグネームはもちろん、次世代を牽引するニューカマーまでが集結する、日本が世界に誇る都市型フェスがいよいよ始ろうとしている。
サマソニの前日、本日8⽉15⽇に開催される〈SONICMANIA〉とあわせて、Mikiki編集部では今年も両フェスの注目アクトについて語り合った。
2025年の〈サマソニの顔〉となる2組
小田淳治「大盛況だったフジロックの勢いも借りて、今年もサマソニとソニマニの注目アクトについて語っていきたいと思います!
サマソニは昨年マネスキンとブリング・ミー・ザ・ホライズンという人気絶頂のロックバンド2組がトリを飾りましたが、今年はフォール・アウト・ボーイとアリシア・キーズがヘッドライナーを務めます。どうやらブッキング面で難航したようですが、最終的にはとてもサマソニらしい2組になったと思います」
天野龍太郎「フォール・アウト・ボーイはサマソニに5回も出演していますし、お馴染みですよね。2000年代にはマイ・ケミカル・ロマンス、パニック!アット・ザ・ディスコと並んでポップなパンク/エモアクトとして日本でも大人気バンドになりました。ロックバンドとしての軸を保ちつつポップシーンの変化にも柔軟に対応してきたバンドで、影響を受けたことを公言しているONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONなどのまさに先輩。エモーショナルなパフォーマンスとシンガロング必至な親しみやすいアンセムは、ZOZOマリンスタジアムと大阪のAIR STAGEでめちゃくちゃ映えるはず。代表曲“Centuries”や新作『So Much (For) Stardust』、日本でもヒットしたアルバム『Infinity On High』の収録曲を連発して、両会場のラストを大いに盛り上げてくれるでしょう!」
小田「自分もフォール・アウト・ボーイをデビュー当時から知っていますが、今回満を持してのサマソニのトリということで楽しみでしかないです! そしてもう1組のヘッドライナーがアリシア・キーズで、発表されたときはかなり驚きました。しかも来日自体が2013年以来、約12年ぶりなんですよね。以前まではポップスターとしての印象が強かったですが、ブラック・ライヴズ・マターやエンパワメントなどここ数年の世界情勢の影響もあってか、女性としてもR&Bアーティストとしても深みが増したように思います。
前回の来日から『HERE』『ALICIA』『KEYS』のオリジナル3作に、ホリデイアルバム『Santa Baby』もリリースしていて予習は大変かもしれませんが、今回のサマソニ出演のタイミングで日本独自企画ベスト『ベスト・オブ・アリシア・キーズ / The Best Of Alicia Keys』がリリースされたので、これと最新の『bounce』での特集記事をチェックしてもらえれば完璧だと思います!」
カミラ・カベロ、ヤングブラッドら絶対見るべき洋楽アクト
小田「フォール・アウト・ボーイとアリシア・キーズを筆頭に、他の洋楽ラインナップも実に充実しています。フォール・アウト・ボーイと一緒にチェックしたいのは、やはりヤングブラッドですかね。イングランド出身の彼は、ブリング・ミー・ザ・ホライズンらをはじめとする2020年代以降のエモシーンの隆盛とともにフックアップされ、ここ2、3年で急速に成長を遂げています。先日リリースされたばかりのニューアルバム『Idols』に収録されたスタジアム級のアンセムや、アニメ『怪獣8号』のために書き下ろされた“Abyss”などもきっと披露してくれると思います」
天野「ヤングブラッドは私も必見だと思います。そして今年について強調したいのが、ラテンポップのファンにとって東京の2日目がアツいこと。MARINE STAGEはJ. バルヴィンとカミラ・カベロが並ぶスロットです。J. バルヴィンはコロンビア出身のレゲトンシンガーで、ラテン音楽界でバッド・バニーに次ぐ国際的な大スター。2018年に続く二度目のサマソニ出演ですが、日本で見られるのは超貴重。甘い歌に酔いしれたいですね!
カミラはフィフス・ハーモニーの元メンバーで、ソロアーティストとして大成功したシンガー。キューバ出身で、ソロデビュー後からラテンポップ寄りの“Havana”など優れた曲を連発してきました。一方、昨年の新作『C,XOXO』はフューチャリスティックで実験的なダンスポップ路線で、カミラが見せてくれた新たな表情もかっこよかった。繊細でありながらもコク深い独特の声はぜひ生で聴きたい!」
小田「自分は約10年ぶりの来日となるブロック・パーティーが見たいですね。2004年にデビューした当時は、フランツ・フェルディナンドらが中心となったポストパンク/ニューウェーブリバイバルの流れを受けて一躍人気を集めていました。かつてはオアシスのギャラガー兄弟にこき下ろされたことで、逆に有名になったのをよく覚えています。
予習としては、初見の方であればデビューアルバム『Silent Alarm』はマスト。今年9月には同作の20周年記念盤もリリースされますが、“Helicopter”“Banquet”といったヒットチューンが入っていますし、この2曲は絶対ライブでやってくれるはず。あとは現時点での最新作『Alpha Games』と、個人的にも大好きな2nd『A Weekend In The City』あたりを聴き込んでもらえれば!」
天野「『Silent Alarm』は名盤ですよねー。それと今年のサマソニは、ヒップホップやR&Bファンも参加必至。コモンを筆頭にベテランのジャム&ルイスやディゲブル・プラネッツ、ティナーシェにUKのジョルジャ・スミス、さらに超大物21サヴェージが出演します。21は個人的に初期からファンなのですが、特に近年は〈客演王〉的な立ち位置を確立していて、USではトップラッパーの一人。しかも初来日公演なので大注目です!」