カラッとした軽快なギターはポルトガル・ギターでしょうか。陽に反射する水面の煌めきのようなピアノが現れたかと思えば女性コーラスがドリーミンに色をつける。フランス生まれながら本場の名作も顔負けの秀逸なMPB作を届けてくれたのはSSWチアゴ・カエターノ。ブラジル人の母親の影響により親しんだ様々なブラジル音楽に、アンビエントな音響やUSインディー的フォーキーなテイストなどを織り混ぜた楽曲は現代的ながら、心地よい脱力感のハスキーな歌声含め音の端々からサウダージが滲む。レオナルド・マルケスがミックスを担当。ラウンジーな60年代MPBからデヴェンドラ・バンハート、チン・ベルナンデス好きにまでお薦め。