いわゆるロック・ポップスでの〈ライブ〉だけでなく、クラシック時代からの〈観客と演奏者〉の関係の変遷を紐解くものとなっている。また、近年、とりわけコロナ禍以降に定着した〈配信ライブ〉も含めたライブの位置づけから意義の変化などまで網羅した非常に興味深い論説が複数の書き手によって示されている。そこは、増幅機器を介さないライブからスタジアム級のライブにおける増幅機器の存在とその変遷も含み、単なるライブ変遷史に留まらない多角的な視点を含んだ興味深いものになっている。音楽を手軽に聴く環境のある現代において今後のライブの在り方、存在意義を図る上でも重要なものと言えよう。
南田勝也「ライブミュージックの社会学」クラシックからポップ・ロックまで観客と演者の関係の変遷を多角的に紐解く
ジャンル
書籍