チェロと合唱の編成による旧約聖書をもとにした約1時間の作品。チェロは人の声に近い深みのある音色で合唱と相乗効果を生むようで、エストニアの作曲家クルヴィッツにもこの編成で浮遊感漂う良い作品を発表している。作曲家クナイフェルは昨年亡くなったウズベキスタン生まれ。ロストロポーヴィチにチェロを学んだ経歴がある。聴いてからそのロストロポーヴィチがこの作品をテルデック・レーベルに録音していたことを思い出した。それは重い歴史を背負ったような濃厚な演奏だった。このムストネンとラトヴィアの合唱団は作曲家ペルトの音世界を髣髴させる、体を包み込んでくれる感覚と静謐な空気を醸す。
『アレクサンドル・クナイフェル:Chapter Eight(教会、合唱団とチェロのための)』旧約聖書をもとにした、包み込む感覚と静謐な空気を醸す作品

ANDRES MUSTONEN , PATRICK DEMENGA , STATE CHORAL LATVIA , RIGA CATHEDRAL BOYS CHOIR , YOUTH CHOIR KAMER
『アレクサンドル・クナイフェル:Chapter Eight(教会、合唱団とチェロのための)』
ECM New Series
2025