ブクステフーデの傑作を作品ゆかりのスウェーデンの気鋭の古楽アンサンブルが録音。ブックレットにはアンサンブル結成時から特別な作品であったことが述べられているので、まさに満を持してのリリースであろう。基本的に各パート一人の編成ながら、部分的に二人に増やすことで音響に立体感を作り出し、また、声と楽器の役割を明確に分け、あえて統一を避けることで表現的にも立体感を生み出している。それはまるで北方ルネサンス絵画のようなリアルさだ。これまでになかったアプローチでブクステフーデの真髄迫る素晴らしい演奏を優秀な録音で楽しめる1枚。