2019年にチェ・クリスタルのソロ・プロジェクトとして始まり、現在は4人組となったニュージーランドのバンドがファースト・アルバムをリリースした。得意のドリーム・ポップを前面に出しつつ、ボサノヴァの要素が印象的な“Not A Necessity”のようにドリーミーな音を脇に置いた楽曲も多く収められている。シンコペーションを効かせたベースが際立つイタロ・ディスコ調な“Get Up”など、これまでの作品では見られなかったタイプの曲からはバンドの引き出しの豊富さが感じられる。亡くなったチェの祖母を称えた“Aseurai”の滋味深い歌詞は涙腺を緩ませる。