「Shall we ダンス?」「舞妓はレディ」の映画音楽の作曲で知れられる周防義和による映画音楽講義。「パリ、テキサス」「東京物語」といった多くの映画を題材に映画音楽の作曲術、演出効果を理解できるように論じられている。全体は7つの章で構成され、海外・日本の映画の作品ごとの分析、自身の作品の解説、音楽の入り方の実践例、映画音楽の作り方、映画音楽の変遷、映画音楽エトセトラと、盛り沢山な内容だ。全編を通して、図解を多用し構造的に分析しているためイメージが掴みやすい事も特徴的。平易で論理的な文章が素晴らしく、特に「東京物語」の「老夫婦が行く」シーンの分析は映像と音が見事に再現されている。映画関連の本としては必読の一冊。