松隈ケンタのトータル・プロデュースするフレッシュなガールズ・グループが迎えた勝負の2年目――ガレージから生まれたBADな4人組は福岡から世界をめざす!
いろんな思いが詰まったアルバム
〈ゆるく、ロックに、世界を目指す!〉をモットーに松隈ケンタ率いるBAD KNeeから登場した4人組、Girls be bad(以下GBB)。昨年8月の結成発表と同時に16日連続で新曲を配信して話題になった彼女たちだが、いずれも九州で生まれ育った4人はもともと松隈のスカウト企画によるオーディションで集まった。
まりか「『城南フロッグボーイズ』っていう演劇のオーディションを受けた時に、その音楽プロデューサーだった松隈さんに初めて会いました。どういう人なのかまったく知らなかったんですけど、舞台が終わった時の打ち上げでお話しした後に松隈さんについて調べたりして、Buzz72+さんを観に行って松隈さんのギター姿に憧れて、自分でもギターを始めて、松隈さんのスクールに入った感じです」
蝶「私はお兄ちゃんがバンドマンで、松隈さんが運営してるBAD KNee LAB.っていうライヴハウスによく出演してたんですけど、その縁で松隈さんがアイドルを作るスカウト企画で大分駅に来るっていう話をお兄ちゃんに聞いて、自分からスカウトされに行きました(笑)。小さい頃から人前に立つのが好きで、アイドルになりたいという夢もあったので、ちょうど良い機会だなと思って」
りんか「私は子どもの頃からずっと演劇をしてて、通っていた短大の西短MP学科さくら組っていうグループでも活動してたんですけど、松隈さんがYouTubeのカメラを持って授業中に乱入してきて(笑)、そこで勝手に審査してもらって、オーディションに進んだっていう感じでした」
あやか「私は高校の軽音楽部でドラムとヴォーカルをやってるんですけど、その練習場所で同じ時間にたまたま松隈さんがコンテストの審査員をされていて、その時にスカウトされました。人前に立つのも歌うのも好きだし、せっかくのチャンスだからやってみようと思って」
オーディション中に話す機会はあまりなかったそうだが、この1年で4人の一体感や相互理解も深まったようだ。
りんか「まりかはライヴ審査の時はめっちゃ元気で、ずっと弾けたキャラだったんですけど、合格して一緒になってみると、いちばんおとなしかったです。ライヴの時だけ豹変する感じです」
まりか「蝶は美人でクールなのに、心開いてからはめっちゃ喋ってくれます」
りんか「蝶は最初のオーディションの時に〈自分が世界一可愛いと思ってます〉って言ってて、話しにくいなと思ってました(笑)。打ち解けたら印象が変わりました」
蝶「りんかちゃんは、最終オーディションのステージを観てる時に絶対受かるだろうなって確信してたくらい、もう最初からカッコイイなっていう印象があって」
あやか「初めて観た時から、女性が憧れる女性みたいな感じでした。最近はリーダーのオーラも出てきてるなって」
りんか「あやかはバンドでヴォーカルやってるのも聞いてたので、歌がズバ抜けてるなって思った」
蝶「歌が上手い印象はずっとあったよね。あと、最終オーディションで泣いてたのがめっちゃ記憶に残ってます」
あやか「ダンスできなくて、悔しくて泣いてました」
まりか「感情豊かで全部を出してくれるからわかりやすいし、純粋で素直な子です」
デビューした8月に初ライヴを行ってから1年、その濃厚な日々のなかでさまざまな経験が4人を成長させてきた。
蝶「私は心の持ち方が変わったライヴがあって。それが今年1月18日に東京の豊洲PITであった〈MasalaMix〉なんですけど、そのオープニングアクトで出していただいて、2000人ぐらいのお客さんの前でライヴしたんですよ。ステージが広いから全然使いこなせなくて、悔しい思いをして。それで、その後のアーティストさんのステージを見学させていただいた時に、初めて〈凄い!〉って思うより先に〈悔しい〉の感情が来たので、心に残ってます」
りんか「KIRA:MINAっていうBAD KNeeの新しいグループのお披露目で私たちも一緒に出たんですよ。それで、初めてライヴを観たらみんな歌もダンスもスペックが凄く高くて、ヤバい!って思って。いままでもたぶんライバルはいっぱいいたんですけど、身近にその存在ができたことで初めてちゃんとした焦りがきて。そういう存在ができたからこそ、成長したいって思えてるのかなって思います」
あやか「私は2月にやった2度目のツアー〈SIXTEEN’S PLACE TOUR〉ですね。各地のバンドやアイドルの方々と対バンして良いところを吸収するぞ!っていうツアーだったんですけど。どれだけ実力や経験が足りてないかわかったし、ライヴが16本あるなかでいろんなアイデアを試して成長できたので、印象に残っています」
まりか「1年前ぐらいのライヴをみんなで観返したら、当時はやっぱり教えてもらったことを一生懸命こなしたり、MCも決められた流れで喋ってるだけだったんですけど、いまはアドリブを入れ込んだり、場の雰囲気に応じた話をできるようになってて、3人が話してきたような経験があったからこそ、成長できてるんだなって。振り返ってみて改めて感じました」
そのように自分たちの進化を実感するなかで完成したのが、今回のセカンド・アルバム『sixteen’s pleasure』。初めてCDリリースもされる本作は、クラウドファンディングを通じてファンもコーラスや楽器演奏、作詞などに参加するというユニークな試みも話題になった。
蝶「今回の大きいテーマは〈みんなで音楽を作り上げる楽しさを表現する〉っていうもので。1年前の『sixteen’s mind』は、作ってもらった曲を私たちが必死に歌うだけだったんですけど、今回はほとんどの曲で4人それぞれが作詞してるし、それぞれの思いや経験も込めて作り上げた作品になりました」
あやか「クラファンでいろんな募集をしたこともあって、私たちだけじゃなくて、いろんな人の思いが詰まったアルバムでもあります」