ワシントンDCを拠点に活動したフォーク歌手の、72年の隠れた佳作が世界初CD化。今年2月に逝去したロバータ・フラックのプロデューサー仕事という意味合いでの復刻だろうが、重々しい社会派の“Oh Alabama”、カニエ・ウェスト“Hey Mama”の元ネタとなったゴスペルの“Today Won’t Come Again”、ジョニ・ミッチェル提供の“Midnight Cowboy”、ビー・ジーズのカヴァー“Words”など、公民権運動の時代から活動してきた主役の素朴な歌心をニュー・ソウル時代の情緒に結びつけたフォーキーな内容が素晴らしい。アレンジにデオダートが関与し、演奏にはキース・ジャレットらが名を連ねている。