俳優としても活躍し、アーティストとしてメジャーデビュー5周年を迎えるMORISAKI WIN(森崎ウィン)が〈ラブソング〉をテーマにしたコンセプトEP『LOVE SONGS』をリリースした。本作には、2025年10月31日(金)に公開を控える向井康二(Snow Man)とのW主演映画「(LOVE SONG)」を経たからこその新曲と既発曲計4曲が収められている。ひとつ目の新曲“初恋(LOVE SONG)”はドラマティックな長いイントロから始まるR&B。MORISAKIが作詞を手掛け、切ない片思いが描かれた映画「(LOVE SONG)」を想起させる部分が多い。ふたつ目の新曲“stay by my LOVE”は恋人同士の絆がストレートに描かれたウォームなR&B。詞曲ともにMORISAKIが担っている。新曲への想い、自身が求めるラブソングについて、また俳優との二足の草鞋のことなど、さまざまなことを聞いた。

映画「(LOVE SONG)」に付随する禁断の恋の歌
――まず、1曲目の新曲“初恋(LOVE SONG)”はどういう経緯で生まれたんでしょう?
「映画『(LOVE SONG)』に付随してラブソングだけにスポットを当てたシングルなのかアルバムなのかを作りたいっていう話を1年くらい前からスタッフとしていました。映画の撮影が始まり、公開日が決まって、そろそろ本腰を入れて進めることになったんです。
“初恋(LOVE SONG)”については、壮大なアレンジが映える、歌い上げられるような曲っていうイメージを共有した上でスタッフが調整してくれました。海外のいつも曲を書いてもらってるチームの作家の方(アンドリュー・ウィルコックス、リッキー・ハンリー)が作った英詞の曲なんですが、日本語で歌詞を書こうと思って最初は1人で書いてみました。さらに、この洋楽ベースの曲調に日本語を落とし込むところをブラッシュアップしたくて、EIGOさんにも入っていただいて完成させることができました。
EIGOさんは〈ウィンくんの書いた世界観をもとにアレンジしたよ〉とおっしゃってましたが、さすがでしたね。〈夕日の中“Shhhh” 見つからないよう〉の〈Shhhh〉はEIGO先生の手腕です。
僕が映画で演じたソウタの気持ちが入ってはいるんですが、映画のアンサーソングというよりはソウタ役を通して感じたことをMORISAKI WINとして解釈して、噛み砕いて歌詞に落とし込んだという感じです」
――長いイントロが特徴的ですよね。
「今どきなかなかないですよね(笑)。短くすることもできたんですが、あえてストーリーの入口の役割を担ってもらうっていう解釈にしました」
――長いだけではなくドラマ性があるイントロです。
「キャッチーですよね。歌い出しも1拍待ってから入る〈溜め〉が効いているなと。ブルーノ・マーズとかもよくやる手法ですけど。イントロで世界観をドンッと作るっていう」
――作詞は途中からEIGOさんに入ってもらったそうですが、長い間思いを告げられない切なさや、未完成のラブソングといった映画の要素が入っています。どんなことを大事にしたんでしょう?
「冒頭の歌詞が〈二人だけの放課後〉ですが、映画から受け取るメッセージのひとつが〈禁断の恋〉で。時代と共に様々な恋愛の在り方に対する理解が広がったとはいえ、まだ全員が生きやすいわけではないと思うんです。ソウタが学生時代から同級生のカイに想いを寄せているのにずっと伝えられないっていうところには、同性だからっていうことも関係しています。でもそういったことを重く捉えるというよりは、軽やかに2人の学生時代のことを思い返すことを入口にしたくて、この冒頭の歌詞を書きました」
――締め括りの歌詞は、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかがわからないようになっています。
「ここで流した涙が嬉し涙なのか悲しい涙なのか。メロディ的には切なさも感じるけど、明るさを感じるアレンジになっていて。気持ちを伝えた後、どうなったのか想像を膨らませてほしくて抽象的な終わり方にしました」
――しかも結末をぼやかすかのようにフェイドアウトするという。
「そうなんです。だからきっと2人の物語は続いていくのかなって思いますよね。最初からこのアウトロが付いていて、そこからインスパイアされてあまり限定せずに終わらせる方がいいんじゃないかと思ったところもあります」
