ガールズ・メタルを牽引してきたAldiousの活動休止前ラスト・ライヴ!!!!!
日本におけるガールズ・メタルの礎を作ったバンドと言っても過言ではないだろう。メロディアスな正統派HR/HMサウンドと、ロングドレスなど華やかなヴィジュアルで鮮烈な存在感を放ってきたAldious。2010年のデビュー以降、6枚のオリジナル・アルバムと2枚の新録ベスト、さらにミニ・アルバムなど多くの作品をリリースしてきた彼女たちだが、2018年にRe:NO(ヴォーカル)が病気のため脱退し、後任のR!Nもやはり体調不良のため脱退。以降はゲスト・ヴォーカルを迎えてライヴを続けていたが、2025年5月に無期活動休止を発表。8月には活動休止前のラスト・ツアー〈The Dominators Last Standing 2025〉を東名阪で開催した。
「活動を休止するんだったら絶対にライヴはしないといけないと思っていて。長年応援してくださっている方も多いし、ここ6年ぐらいはコロナ禍やメンバーの出産などもあってなかなか精力的に活動できなかった。ライヴをせずにそのまま休止するっていうのも、さすがにそれはないなと思ったので、急遽8月に東名阪を決めました」(Yoshi、ギター:以下同)。
今回のラスト・ツアーには、開催時のメンバーだったYoshiとトキ(ギター、9月に脱退を発表)、サワ(ベース)の3人、そして元メンバーであるRe:NOとAruto(ドラムス)が参加している。2024年11月にCyntia主催のイヴェントに出演したときのラインナップもこの5人だった。
「Re:NOとArutoのステージや音楽に対する姿勢をすごく信頼していたので。Arutoは2023年のセッション・イヴェントにも出てもらったんですけど、本当に完璧に叩いてくれた。Re:NOももちろん……2人ともリハーサルも休まずにちゃんと来るし、ライヴが終わったら映像を観て復習していたり。音楽に対する意識がめちゃくちゃ高い2人なので、お願いしたのは当然の流れでしたね」。


そのツアー・ファイナルにあたる8月13日の東京・豊洲PITでの模様を収録したライヴ作品「ALDIOUS -The Dominators Last Standing 2025-」がBlu-ray、DVD、2枚組CDというパッケージでそれぞれリリースされた。活動17年間の集大成となる本作には、真摯なメッセージを込めたMCや観客の熱い声援など、メモリアルな場面も多数収録。しばらくライヴでやっていなかった初期の曲、今回のツアーのためにメドレー形式でアレンジした“Instrumental 2025”など、演奏面での聴きどころも多い。
「Arutoの作曲による“Wish Song”(2011年作『Determination』収録)は私がぜひやりたいって提案しました。この曲は本当に長いことライヴでやってなかったんですけど、Aldiousってデビュー当時は〈ここで弦楽器隊がクルッと回転しよう〉とかやってたんです、若気の至りで(笑)。今回、映像担当の方に〈ここ全員で回転してるんで撮ってください〉って伝えたりしたんですけど、そういう昔からやってたことをわかる人には〈懐かしい〉って楽しんでもらえると思う。最近知ってくれた人には〈あぁ、こんな感じだったんだ〉って思ってもらえるかな」。
また、Re:NOが作詞・作曲を担当した“I Don’t Like Me”(2014年作『Dazed and Delight』収録)は、Re:NO脱退後のライヴでは一度も演奏されていなかった重要な楽曲だ。
「他のバラード曲はやっていたんですけど、“I Don’t Like Me”だけはやらないでおこうみたいなのはなんとなくありましたね。なので“Wish Song”と“I Don’t Like Me”は特に聴いてほしいです。あと“White Crow”(2013年作『District Zero』収録)には私が作った特別なアレンジがあって、これも自画自賛するレヴェルでめちゃくちゃ気に入ってますね」。
Aldiousとしての活動はここでいったん休止となるが、Yoshiは今年4月からスタートしたソロ・ライヴでAldiousの曲を演奏している。以降、開催したソロ・ライヴには、サワやRe:NO、Arutoも参加しており、今後も同様に計画しているとのことだ。
「ソロだと自由度も上がるので、アレンジをかなり変えたり、Aldiousのライブで数回しか演奏してない曲もやったりしてるんです。そういったレアなところも楽しんでもらえるソロ・ライヴにしていきたいな。なので、今後Aldiousの曲が一切聴けなくなるとかはないですね」。
Aldiousの作品を一部紹介。
左から、2014年作『Dazed and Delight』(Bright Star)、2015年作『Radiant A』、2017年作『Unlimited Diffusion』、2017年のミニ・アルバム『We Are』、2020年の新録盤『Evoke 2010-2020』『Evoke II 2010-2020』(すべてRadiant A)