低音の響き、ここに極まる。巨匠が受け継ぎ、いま届けるジャズ・ベースの真髄!
アコースティックなジャズ音楽の魅力をオーディオで再現するうえで重要なひとつが、大きなウッド・ベースの音をいかに豊かに響かせるかということ。ジャズを聴き始めた頃に、とあるお店で聴かせていただいたCDの生々しく音作りされたベースの音が本当に衝撃的で、ずっと記憶に残り続けています。
〈低音王〉と称される巨匠ベーシスト、ブライアン・ブロンバークによる2023年録音作のSACDハイブリッド盤は、こだわりの低音が堪能できる極めつけの一枚です。ユニークで楽しい様々なプロジェクトでベースという楽器の可能性を追求し続け、その概念を更新してきた彼にしか辿り着けない境地のサウンド……ぜひこの衝撃を味わってください。

タイトルの由来はもちろん1961年に25歳の若さでこの世を去った伝説であり、その当時にベースの概念を変えた革新者であるスコット・ラファロ。ブロンバークは伝記映画を撮るよりも鮮やかに、自身の低音によってこの人物にフォーカスしています。
“マイ・フーリッシュ・ハート”“ワルツ・フォー・デビイ”やラファロ作の“グロリアズ・ステップス”といったビル・エヴァンス・トリオで知られるナンバーを中心に、ギターに限りなく近いピッコロベースを用いて美しい旋律を奏でるオリジナル“スコッティズ・ソング”なども織り交ぜた珠玉の全12曲を収録。超絶にして芸術的なソロ演奏による“ダニー・ボーイ”がちょうど真ん中に入っているのも絶妙です。
長年のコラボレーターでありグラミー賞ノミネート歴もあるピアニストのトム・ジンク、そしてドラマーのチャールズ・ルッジェーロという名手たちは自身の素晴らしい演奏を聴かせつつリーダーのベースを浮かび上がらせるという匠のワザで今作を唯一無二の逸品に仕上げています。聴くものの心まで包み込んでくれるような、低音の深い響きをじっくりお楽しみください。