まだトリオ編成だったJurassic Boysが2019年にKiliKiliVillaからリリースしたファースト・アルバム『Jurassic Boys』が新鮮だったのは、ストロークスやリバティーンズに影響を受けた世代ならではの感性で、リプレイスメンツのポール・ウェスターバーグや、彼らの師と言えるアレックス・チルトンにも通じる視点の、生々しくもロマンティックなロックンロールを鳴らしていたことだ。日々の焦燥や感傷を詰め込んだ歌詞はワードセンスが秀逸。同世代のバンドには類を見ない、言葉を吟味した私小説的な日本語詞ロックの世界は佐野元春とも比較された。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアーにオープニング・アクトとして抜擢されるなど、傍目には順風満帆に見えた彼らだったが、コロナ禍に突入した頃から活動が停滞。新作がなかなか出ないまま時が流れ、その間、新たにMasafumi Sonedaをベーシストとして迎え、それまでベースを担当していたDai Saitoと、ヴォーカリストのRyushoとのツイン・ギター体制に移行した。4人編成で再出発した彼らが、待望のセカンド・アルバム『On The Way Back Home』をついに発表。そのタイトルと同名の、彼らが下北沢BASEMENT BARで続けてきた自主企画イヴェントの第4弾が、新作のリリース・パーティーとして1月17日に開催された。

意外に感じたのは、今回招かれた共演相手が曽我部恵一だったこと。洋楽どっぷりのイメージがあったRyushoだが、実は曽我部の作品を愛聴しているそうで、町田市民文学館 ことばらんどで昨年開催された展覧会〈サニーデイ・サービス 曽我部恵一展 Lovers of words〉にも足を運び、大いに感銘を受けたという。バンドからのラヴコールに応え、この日先攻で登場した曽我部は弾き語りで11曲を熱演。転換中に振り返ると、背後の壁には画家のVVINが『On The Way Back Home』のアートワーク用に描いたアクリル画の数々が飾られており、Jurassic Boysを取り囲む仲間たちの幅広い〈輪〉を実感させられた。〈仲間〉や〈友達〉は、新作の歌詞で印象に残るキーワードでもある。