9年ぶりの新作を携えて、来日公演も決定!

 ソロ・オリジナルとしては5作目にあたるぺッテリ・サリオラの約9年ぶりの新作。フィランドの有名音楽一家出身の彼は、その圧倒的なギターテクニックで、日本でも高い人気を得てきた。ライヴの素晴らしさには定評があり何度も来日。このジャンルでは世界的に評価の高い押尾コータローさんとの交流も重ねている。本作でも、お馴染みの〈スラム奏法〉と呼ばれるスラップ、タッピング、ヒッティングなどを駆使したパーカッシブな超人的プレイはあいかわらずだ。

PETTERI SARIOLA 『Voyager』 キング(2026)

 彼の音楽を簡単に説明するとしたら、ギター演奏のテクニックはもちろんだが、私はまずはそのリズム感のシャープさを指摘したい。ぺッテリの音楽を聴いて最高に気持ちがいいのは、彼が生み出すリズムがとてもシャープだからだ。そのシャープさは、一体どこから来るのか。一度真剣に考えたことがあるのだが、いつだったか彼が出演した地上波のラジオ番組で、楽しいおしゃべりの後にギターの生演奏に移る時の姿を見て、ラジオDJの方(注意:音楽の専門家ではない)が、「集中する姿がまるで修行僧のようだね」と称した事を思い出した。そう、ぺッテリのリズムのシャープさは、彼の演奏にかける集中力、ひいては音楽に対する真摯な気持ちから来ているのだ。そこを一瞬で見抜いたDJの方もすごいが、ぺッテリもすごい。

 ぺッテリはマイケル・ジャクソンを聞いて音楽に目覚め、最初はバンド活動を目指したのだそうだ。それゆえに彼の表現はあくまでポップ。ギターはソロで演奏していたとしても完全にバンド・サウンドを指向している。

 本作のコンセプトは、なんと〈旅〉。ポップス、ロック、ギター・インストなどジャンルレスに楽しませてくれる13曲を収録。同郷のヒューマンビートボクサー、フェリックス・ツェンガーとのコラボ曲に注目したい。同時に日本語盤に収録された井草聖二さんの丁寧な楽曲解説も必読だ。そういえば井草さんも最初の楽器はドラムだったと聞く。4月には久々の来日公演が決定。

 


LIVE INFORMATION
SARIOLA JAPAN TOUR 2026 ”VOYAGER”
ペッテリ・サリオラ・ジャパン・ツアー 2026 “ボイジャー”

2026年4月16日(木)東京・月見ル君想フ
https://www.moonromantic.com/

2026年4月19日(日)大阪・ club vijon
https://vijon.jp/