「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」が2026年5月22日に公開され、大ヒット上映中だ。2025年に結成20周年を迎えたロックバンドSUPER BEAVERに密着したライブ&ドキュメンタリー映画である本作。アニバーサリーイヤーの舞台裏を映しながら、若き日の姿を映した貴重な映像も交えつつ4人の等身大の姿を捉えている。そんな映画について、メンバーと若菜俊哉監督が登壇した初日舞台挨拶も取材した音楽ライター坂井彩花に綴ってもらった。 *Mikiki編集部

20周年を経た彼らを待っていた〈未来〉
「こんな未来があるとは思っていなかったなっていうことを、改めて感じさせていただける作品になっているんじゃないかなと思います」
5月22日に公開となった映画「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」の初日舞台挨拶で、柳沢亮太(ギター)はそう口にした。こんな未来――、SUPER BEAVERが再びメジャーレーベルに戻り、スタジアムライブを成功させ、結成20周年となるアニバーサリーイヤーにカメラが密着し、本人たちのチェックを挟まずドキュメンタリー映画として公開される未来。おそらくファンですら想像していなかったのではないだろうか。
それは、決してSUPER BEAVERというバンドを、彼らの未来を、疑っていたわけではない。どんなに素晴らしいアーティストであっても、心を震わす音楽をやっていても、運命のいたずらに巻きこまれてしまうことはある。どうしようもない無力さに、太刀打ちできない状況だってある。しかし、SUPER BEAVERは再起した。挫折や葛藤すら血肉に変え、前へ進むことを選び続けてきたのだ。
では、紆余曲折の20年間を経て、SUPER BEAVERは変わったのだろうか。表現の仕方、スタンス、がむしゃらさ、規模感、本質、伝えたいこと――、その答えを〈あなた〉に問いかける作品こそ、「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」だ。

これを見てもいいの? 〈SUPER BEAVERという生き方〉が浮き彫りに
スクリーンに映し出されるのは、本来であれば目にできない場面の数々。バックステージで仲間と交流する朗らかなシーンを筆頭に、飲み会での一幕や公演延期の舞台裏など、〈これを見てもいいのか?〉と思わずにはいられない生々しい姿さえも包み隠さず収められている。
舞台挨拶で渋谷龍太(ボーカル)は「(主演というよりは)観察対象物ですね」なんて口にしていたが、まさにその言葉の通りだ。SUPER BEAVERというバンドを、渋谷龍太・柳沢亮太・上杉研太(ベース)・藤原“37才”広明(ドラムス)という人物を、彼らのチームが立つ現在地を、オーディエンスは目撃する。音楽を通して受け取ってきた〈SUPER BEAVERという生き方〉を、改めて認識するのだ。
そもそも本作品は、若菜俊哉監督の「活躍している同級生って、かっこよくない?」というピュアな想いから始まっている。だからなのか、舞台挨拶での「憧れの同じクラスのかっこいい人を追いかけたいみたいな、そういう気持ちが最初にありました」という言葉を体現するかのように、彼らを切り取る視線は好意的でありながらもフラット。「雲の上の人をドラマチックに描きました」なんて、ロマンティックな過剰演出は存在しない。ただただ目の前の人や状況と丁寧に向き合い、ありのままを伝える。700~800時間に及ぶ莫大な量の素材のなかから選び抜かれた、本当に知るべき〈SUPER BEAVERの現在地〉が濃縮されているのだ。

4人の現在地を受け止め、自分自身とも対峙する
また、TAKUYA∞(UVERworld)やTAKUMA(10-FEET)、山田裕貴といった親交がある人たちによる証言は、〈自分にとってSUPER BEAVERとは、どういう存在なのか〉と見つめ直すきっかけになることだろう。彼らの言葉に共感したり、そのなかに何かを発見したりするなかで、SUPER BEAVERと向き合うと共に、自分自身とも対峙する。SUPER BEAVERの現在地を受け止めることが、自らを受け止めることへも繋がっていくのだ。
もちろん、随所に挟まれている〈SUPER BEAVER 20th Anniversary「都会のラクダ TOUR 2026 ~ラクダトゥインクルー~」〉のライブ映像も見逃せない。サラウンドミックスエンジニアを手掛けるのは、レコーディングエンジニアとして最初のメジャーデビュー前から仕事を共にしてきた、兼重哲哉。SUPER BEAVERの旨味を熟知したプロフェッショナルにより、彼らの言葉や音に内包されるエナジーが鮮烈に伝わる音楽体験が実現している。

〈バンドとはこういうもの〉という生々しいドキュメント
たくさんの人の愛を感じられる作品となった「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」。それでも渋谷は、やはり映画を観ようとは思わないと舞台挨拶で話していた。
「それとこれとは、やっぱり別なんですよね。感謝であったりとかっていうものと、全く別物。そもそもこのドキュメンタリーを撮影するにあたって、僕はこの作品が出来上がっても観ないということを条件に撮ってもらいました。
本当にね、めちゃくちゃ難しいんだけど。これから観てもらうのに〈お前、そんなこと言うな〉ってことを今から言うよ。俺は、やっぱりステージ至上主義です。ここに立って、ここの場所で発信するものがすべてでよくて。レコーディングして、届けるもの。映像作品だったり、いろいろなものがあるけど、それが俺たちにとってのすべてです。それだけ見ていてほしい、個人的には。ドキュメンタリーというものを通じて、自分たちが苦悩している姿だったりとか、大変だなって思っている姿っていうのは、俺は実はいらないって思っている、今でも。
だから、これを作るってなったときに、すごく悩んだね。本当にいいのかなって思ったし。観て欲しくねえなとまで思った、正直ね。
でも、第三者の視点から見たときに、このバンドがどう見えるのかっていうのと、また別問題っていうふうに思ったし。もし俺がめちゃくちゃ好きなバンドがドキュメンタリー映画を公開するっていったら、たぶんそこ(客席)に座っているもんね。そういう興味はある。そういうふうにいろんなことを感じていただけるのであれば、自分たちがエンタメの1個になる。
〈バンドっていうものは、こういうものだよ〉って生々しいドキュメントを、彼(若菜監督)が主に作ってくれたというふうに思っている。〈バンドってこんなに楽しんだぜ、幸せなんだぜ、イエイ〉みたいなものを作りたいって、彼は一言も言ってない。すごく生々しいものを観てほしいって、すごく意志が伝わってくるような作品が、これから上映されるんだと思います。そういうのを含めて、楽しんでもらえるといいと思います」
果たして「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」は、ステージ至上主義である彼らにどのような影響を与えるのか。SUPER BEAVERと歩み続ける〈あなた〉に、どのような変化をもたらすのか――。劇場で本作を体感し、その未来に想いを馳せてほしい。
MOVIE INFORMATION
SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-

渋谷龍太 柳沢亮太 上杉研太 藤原“37才”広明
製作:若松央樹 馬場孝弘 井上秀隆 田中優策
プロデューサー:渡辺朱織 佐藤孝樹 唯野友歩 田倉勇気
編集:木下英亮 宮田裕一 高木規宏
カラーグレーディング監修・撮影:岡村良憲
カラリスト:田中基
音楽プロデューサー:谷口広紀
整音:山口慎太郎
LIVE撮影統括:菅井高志
ドキュメンタリー統括:早川大介
企画:岡田翔太
音楽:SUPER BEAVER 河野圭
監督:若菜俊哉
製作:映画「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」製作委員会
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:TOHO NEXT
©2026 映画「SUPER BEAVER LIVE & DOCUMENTARY -現在地-」製作委員会
大ヒット上映中!
公式サイト:superbeaver-film.toho-movie.jp
公式X:@superbeaverfilm #映画SUPERBEAVER現在地
PROFILE: SUPER BEAVER
渋谷龍太(ボーカル)、柳沢亮太(ギター)、上杉研太(ベース)、藤原“37才”広明(ドラムス)による4人組ロックバンド。2005年に東京で結成。2009年にメジャーデビューを果たすも、わずか2年で契約終了となり、2012年に自主レーベルを設立。地道にライブ活動を続け、2018年にインディーズながら日本武道館ワンマンライブを即日ソールドアウトさせる。2020年にメジャーレーベルと再契約。その後、映画「東京リベンジャーズ」(2021年公開)の主題歌に抜擢され、楽曲“名前を呼ぶよ”が大きな話題となった。結成20周年を迎えた2025年はZOZOマリンスタジアムにてワンマンライブを開催し、2日間でおよそ6万人を動員。2026年には東京ドームと京セラドーム大阪でそれぞれ2日間にわたる単独公演が控えている。人生やバンド活動をもとに紡がれる普遍的な歌詞やリスナーの心に訴えかける力強い歌声などで多くの人を魅了。多くの逆境に見舞われながらもひとつひとつの物事と丁寧に対峙しながら、流行や時代性に左右されない音楽性やビジュアルを確立し、音楽シーンのなかでも一線を画す存在感を放っている。さらに、観客ひとりひとりを巻き込む熱量高いライブパフォーマンスにも定評があり、老若男女問わず支持されている。