メジャーに復帰しての第1弾アルバムが素晴らしい。歌とメロディーを研ぎ澄まし、腰を据えて聴かせる曲調が多いけれど、1曲1曲の個性や色調はさらに際立った印象だ。より大きな会場で響くことを想定した堂々たる演奏の説得力も半端じゃない。特に表題曲と“時代”の勇壮なスケール感には感動を覚えた。また、音の隙間を活かした引きの美学で魅せる“mob”“パラドックス”も実に味わい深い。

 


ドラマや映画、アニメなど多数のタイアップ楽曲も収録されている、強力な布陣のフル・アルバム『アイラヴユー』。疾走感あるロック・ナンバーから、壮大なミディアム・バラードまで、〈あなた〉の心を震わせるエネルギーと愛で溢れている。

〈今僕らに 必要なのは/想う気持ち 想像力/今あなたに 必要なのは/想われてる その実感〉。表題曲“アイラヴユー”は、シンプルかつストレートな思いがつまっていて、ライブでフロアが一体になっている情景が目に浮かぶ。普段なかなか声に出して言えない言葉をはっきりと届けてくれるからこそ、聴いていて、思わず笑顔で泣きたくなるような一曲だ。理性と感情のはざまで揺れる“今夜だけ”、印象的なアカペラから始まる“時代”。〈さよなら絶望 絶望 何のための爆音だ〉と力強く言い切る“さよなら絶望”など、このご時世、高く構えてしまいがちの心の壁をぶち壊して歌を響かせてくれる。

彼らがいま歌いたいことが、届けたい思いが、〈あなた〉がいま言ってほしい言葉と、満たされたい感情とぴたりと重なり合うような、そんな作品だ。