エレファントカシマシ
30周年記念! 愛に溢れたカヴァー集の第3弾

VARIOUS ARTISTS 『エレファントカシマシ カヴァーアルバム3 ~A Tribute To The Elephant Kashimashi~』 ユニバーサル(2018)

 デビュー30周年を記念して、エレカシのカヴァー集の第3弾『エレファントカシマシ カヴァーアルバム3 ~A Tribute To The Elephant Kashimashi~』が登場。今回もまた豪華アーティストによるリスペクトを込めた素晴らしい楽曲ばかりだ。注目は過去一人だけだった女性の参加で、manaka(Little Gree Monster)は“悲しみの果て”を若さ一杯で真っ直ぐに、阿部真央は“リッスントゥザミュージック”を、凛とした切なさを込めて歌い上げる。なかでも、女性目線で歌われることで楽曲の切なさの核心に触れられた後者は、個人的に大きな発見。

 他にもクリープハイプの“さよならパーティー”、SUPER BEAVERの“四月の風”などは原曲を尊重した好演で、逆に思い切り改変して成功したのはサザン・ソウル風に生まれ変わった田島貴男の“今宵の月のように”だろう。スカパラをバックに高橋一生が歌う“俺たちの明日”の俳優らしく味のある歌も心に響く。そして、もはや持ち歌にしか聴こえない村越“HARRY”弘明による“ファイティングマン”は、80年代に青春を過ごした人は感涙必至の名演名唱。全曲必聴、愛に溢れたトリビュート盤だ。