
キングインターナショナル国内制作のCDが配信スタート!
昨年4月に30年以上の歴史の幕を閉じたキングインターナショナル。同社が扱っていたものの一部がキングレコードに引き継がれた。いま、かつてキングインターナショナルが扱っていた国内のCDがキングレコードによって続々とインターネット配信を開始している。
例えば日本の伝説のピアニストたちの音源。『ラザール・レヴィ追悼コンサート』は1965年のコンサートのライヴ録音だ。ここではレヴィの弟子であった安川加壽子や田中希代子、平尾はるななど日本を代表する名手たちの2台ピアノが聴ける。半世紀以上前の録音だが、あまりに張り詰めたエネルギーに往時の空気がむんむん漂ってくる。
邦人作品の録音もいくつかある。例えば演奏家・大矢素子の『オンド・マルトノ作品集』では池辺晋一郎、近藤譲、そしてなんと坂本龍一の作品が収録されている。オンド・マルトノは電子楽器。確かにアナログシンセサイザーを多用した坂本にとってこの楽器は遠い存在ではなかったのだろう。
変わり種では沖縄出身の作曲家、金井喜久子を取り上げた『琉球カチャーシー~金井喜久子ピアノ曲全集』も興味深い。今年生誕120年となる金井は、沖縄の民謡などの素材をクラシック音楽に取り入れたひとで、同郷のピアニスト・高良仁美が演奏。日本で初めて女性が作曲した交響曲と言われている“交響曲第1番”(1939年)の未完のフィナーレ、そのピアノスケッチも収録されている。
また、現在トップ・アーティストとして大活躍している名手たちの、ひと昔前のソロアルバムもずらりと並んで楽しい。カウンターテノールの弥勒忠史の『イタリア古典歌曲をうたう』は2007年長野でのライヴ盤。白石光隆による『オリジナル・ピアノ版ルロイ・アンダーソン』は、ルロイ・アンダーソンの名曲たちをオリジナルのピアノ版で2008年に演奏したもの。ヴァイオリンの石田康尚がベルウッド・レコードで2003年、2005年、2006年に出した人気盤『Violin Appassionato』『Dolce Violin』『Pure Violin』もある。(布施砂丘彦)


