お母さんたちを泣かす、だいすけお兄さんの最新盤

 「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんやお姉さんが誰だったかで、だいたいの子どもの世代がわかる。私の娘は2014年生まれなので、だいすけお兄さんにお世話になった。2008年から2017年まで9年間にわたって第11代歌のお兄さんを務め、全国の母たちから絶大な人気を博した横山だいすけ。ウィーン少年合唱団に憧れて歌に目覚め、国立音大で学び、劇団四季では「ライオンキング」にも出演していた歌一筋のキャリアの持ち主だ。「おかあさんといっしょ」を卒業後は、コンサートやテレビ、ミュージカルなど活躍の場を広げている。

横山だいすけ 『笑顔晴れ -20th Anniversary-』 すく♪いく(2026)

 そんな横山の芸能活動20周年を記念したニューアルバム『笑顔晴れ -20th Anniversary-』がリリースされた。冒頭の“笑顔晴れ”は「みんなのうた」で2025年12月~2026年1月に放送された最新曲。続いてアルバム前半には「おかあさんといっしょ」でもおなじみのキッズソングが収録されている。“あさペラ!”や“ぼよよん行進曲”の作詞・作曲は中西圭三だったんだ!とか、“ごめんください、めんください”のだいすけお兄さんは娘が大好きだったなあとか思いながら聴いていたら、子育てに四苦八苦していた当時の記憶がよみがえってきて、思わず涙が出てしまった。7時45分の「おかあさんといっしょ」ではじまる朝、だいすけお兄さんの歌に励まされた母がどれだけいただろう。

 いっぽう、アルバム後半は横山の〈今〉を伝える内容となっている。なかでも「リトル・マーメイド」の“アンダー・ザ・シー”は、キャラクターの表情豊かな演技と明るい声色がまさにはまり役。RADWIMPSの“正解”やレミオロメンの“3月9日”は卒業ソングの定番だが、清涼感のある声に青春の美しさや切なさが際立つ。「おかあさんといっしょ」を見て育った子も、いつか自分のもとから羽ばたいていくのだろう。そんな母の寂しい気持ちを、英語歌唱の“You Raise Me Up”の優しく繊細な声が癒してくれる。ゆりかごから墓場まで、歌はいつでも人生とともにある。だいすけお兄さんにはこれからもお世話になりそうだ。