サウンドの担い手たち
声の客人たちもさることながら、『IN PHASE』は参加したトラックメイカーの面でも注目である。まず、先行シングル“BirthDay”を含めて最多の4曲を担当したのがZETTONだ。ROWSHIをはじめ、BROWN SUGARやw-inds.、EXILE ATSUSHI……と幅広い面々の作品を手掛け、最近では安室奈美恵“TSUKI”をプロデュース。ラップ作品ではP.O.C.K.Yの『BLAZE END』を送り出していたことも忘れちゃいけない。
一方、ZETTONに次ぐ2曲に携わったOHLDは、SALUや般若、NORIKIYOらの作品でお馴染みのはず。また、そのNORIKIYOと組む機会も多いNAOtheLAIZAは“SIZE”を制作。韻踏合組合“一網打尽”を筆頭にDOBERMAN INFINITYからTORNADOまで西の良品には欠かせない大物だ。もちろん、DJ Mitsu the Beatsによる“Peekaboo”も目玉だろう。
それ以外のメンツも注目すべき名前が多く、冒頭の“Swag in my skill”を手掛けるMUMAは、DJ松永“Daydream”でTOCとマイクを回していた札幌生まれのプロデューサー/MC。かつて発表した某〈売名〉曲も記憶に残しつつ、最近はKOPEROや894にビートを提供中だ。また、“2 Face”のYMGはISH-ONE『D.R.O.P』を丸ごと手掛けたり、RAU DEF率いるHYPNOTYZの一員としても躍進。さらにはKUTS DA COYOTEのアレやJAZEE MINOR、USUの作品で名を上げたMONBEE、そしてJOYSTICKKから狐火まで手広く制作する気鋭Yuto.com™(OHLDの実兄、敏腕エンジニアのtan-booと共同制作)など、人選のバランスも『IN PHASE』のおもしろさなのである。
▼関連作品
左から、安室奈美恵の2014年作『Ballada』(Dimension Point)、P.O.C.K.Yの2013年作『BLAZE END』(INSIDE MUZIC/Village Again)、SALUの2014年作『COMEDY』(One Year War/トイズファクトリー)、NORIKIYOの2014年作『雲と泥と手』(諭吉)、TORNADOの2014年作『OUTBREAK』(TORNADO)、DJ Mitsu the Beatsの2014年作『CELEBRATION OF JAY』(Jazzy Sport)、HYPNOTYZの2014年作『JUSTICE』、JAZEE MINORの2014年作『BLACK CRANBERRY』(共にPヴァイン)、狐火の2014年作『31才のリアル』(Butterfly Under Flaps)
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