漢 a.k.a. GAMI 9sari 鎖GROUP(2014)

実に2年ぶりの作品集。ただ、ダースとD.Oの絡みをHI-BULLETの印象的なフックで彩る“oh my way”が冒頭を飾ることからわかるように、ソロ作というよりはクルーの陣容や方向性を見せる意味合いも強めか。フィーンドとの極太コラボやMSC構成員とのディス曲も話題に。

 

 

DARTHREIDER REIDERS EP BLACK SWAN(2014)

剛毅なDJ WATARAIビーツの表題曲でガシガシ走り出す久々のフィジカル作。T.O.P.とD.Oとの怖すぎるフッド語りや、三島らエロ自慢たちを招いた“1234”といままでにない路線の曲が野心的だ。soakubeats製の“死に損ないHIGH”も時事ネタ入りの強力さ。

 

 

D.O TOKYO RAP CARTEL 鎖GROUP(2014)

 練馬×新宿のドープマンなコラボ“KUSARI GROOVE”以外はワンマイクで全体を引っ張り、イントロとアウトロの佇まいも含めて物語性に重きを置いたもの。ソウルフルで劇的な表題曲から〈お化けの出てこない怖い話〉系までストーリーテリングの巧さが光る。

 

 

GOKU GREEN ACID & REEFER BLACK SWAN(2014)

ここに収録の“まるでCali”を受けて先日Goku In Maliforniaに改名し、フィーンドの曲に漢と客演してもいた黒鳥の生え抜き。本作は鼻歌も交えた甘くとろけるマイク捌きでパーソナルな酩酊を語ったドラッギー&メロウな内容で、WATTOMSBのビートも聴きもの。

 

 

HI-BULLET THIS IS HI-BULLET 鎖GROUP(2014)

CORNHEADのエイリアスによる初の作品。とはいえラップ的なフロウに固執するのではなく、NWA使いの“Str8 outta RAGGA”やD.Oとを交えた異色の“Baby”、“oh my way”と同ビートによる“Life is”など、ラガ全開ぶりが快い。Kutの仕事ぶりが光る。

 

 

PONY PONY EP BLACK SWAN(2014)

バトル巧者が自主盤から1年ぶりに出した力作。序曲で過去の不義理を糾弾しつつ、淡々とした“I My Me Mine”で生活に根差した語り口の本分を聴かせる。Licanaのフックもポップな“片道切符”からLIBRO製のファンキー・トラック“SUKIKATTE”へ至るシメもいい感じだ。

 

 

LORD 8ERZ LORD 8ERZ EP 鎖GROUP(2015)

DJ GATTEMとしても知られるビートメイカーのリーダー作。FEBBや三島、KOHHらを迎えて連鎖反応を外に求めたようなラインナップだけに、その意味ではPONYとのタイトな絡みが聴きどころ。A-THUGGANGSTA TAKAを招いたメロウな大ネタ曲もヤバい。

 

 

LIBRO GEAR BLACK SWAN(2015)

前年に発表した久々のアルバムも最高だったが、ここでも5曲それぞれを豊かに彩色。PUNKY DOPEとPONYによる冒頭の“アース”から俯瞰的なスケールで迫り、D.Oのリラックスした語り口が温かい“あの日の1993”、自身のリリカルな語り口で魅する“音信”など佳曲揃いだ。

 

※【特集:鎖GROUP×BLACK SWAN】の記事一覧はこちら 

 


【ライヴ情報】

3/20(金)東京・新宿FACE〈9SARI BLACKSWAN TOUR FINAL〉 
出演:
漢 a.k.a. GAMI/DARTHREIDER/D.O/MSC/HIBULLET/PONY/DOGMA/LIBRO/GOKU GREEN/LORD 8ERZ/MASTERDJ KOHAKUDJ KOPEROPUNKY DOPECHEZ and more 

詳細は〈http://9sari-group.net/〉まで!