実に2年ぶりの作品集。ただ、ダースとD.Oの絡みをHI-BULLETの印象的なフックで彩る“oh my way”が冒頭を飾ることからわかるように、ソロ作というよりはクルーの陣容や方向性を見せる意味合いも強めか。フィーンドとの極太コラボやMSC構成員とのディス曲も話題に。
剛毅なDJ WATARAIビーツの表題曲でガシガシ走り出す久々のフィジカル作。T.O.P.とD.Oとの怖すぎるフッド語りや、三島らエロ自慢たちを招いた“1234”といままでにない路線の曲が野心的だ。soakubeats製の“死に損ないHIGH”も時事ネタ入りの強力さ。
練馬×新宿のドープマンなコラボ“KUSARI GROOVE”以外はワンマイクで全体を引っ張り、イントロとアウトロの佇まいも含めて物語性に重きを置いたもの。ソウルフルで劇的な表題曲から〈お化けの出てこない怖い話〉系までストーリーテリングの巧さが光る。
ここに収録の“まるでCali”を受けて先日Goku In Maliforniaに改名し、フィーンドの曲に漢と客演してもいた黒鳥の生え抜き。本作は鼻歌も交えた甘くとろけるマイク捌きでパーソナルな酩酊を語ったドラッギー&メロウな内容で、WATTやOMSBのビートも聴きもの。
CORNHEADのエイリアスによる初の作品。とはいえラップ的なフロウに固執するのではなく、NWA使いの“Str8 outta RAGGA”やD.Oと漢を交えた異色の“Baby”、“oh my way”と同ビートによる“Life is”など、ラガ全開ぶりが快い。Kutの仕事ぶりが光る。
バトル巧者が自主盤から1年ぶりに出した力作。序曲で過去の不義理を糾弾しつつ、淡々とした“I My Me Mine”で生活に根差した語り口の本分を聴かせる。Licanaのフックもポップな“片道切符”からLIBRO製のファンキー・トラック“SUKIKATTE”へ至るシメもいい感じだ。
DJ GATTEMとしても知られるビートメイカーのリーダー作。FEBBや三島、KOHHらを迎えて連鎖反応を外に求めたようなラインナップだけに、その意味ではPONYとのタイトな絡みが聴きどころ。A-THUGとGANGSTA TAKAを招いたメロウな大ネタ曲もヤバい。
前年に発表した久々のアルバムも最高だったが、ここでも5曲それぞれを豊かに彩色。PUNKY DOPEとPONYによる冒頭の“アース”から俯瞰的なスケールで迫り、D.Oのリラックスした語り口が温かい“あの日の1993”、自身のリリカルな語り口で魅する“音信”など佳曲揃いだ。
※【特集:鎖GROUP×BLACK SWAN】の記事一覧はこちら
【ライヴ情報】
3/20(金)東京・新宿FACE〈9SARI BLACKSWAN TOUR FINAL〉
出演:
漢 a.k.a. GAMI/DARTHREIDER/D.O/MSC/HIBULLET/PONY/DOGMA/LIBRO/GOKU GREEN/LORD 8ERZ/MASTER/DJ KOHAKU/DJ KOPERO/PUNKY DOPE/CHEZ and more
詳細は〈http://9sari-group.net/〉まで!