INTERVIEW

漢 a.k.a. GAMI×ダースレイダー×DOGMAが鎖GROUPとBLACK SWANのEP連続リリースを総括

【特集:鎖GROUP×BLACK SWAN】 Pt.1

連鎖と拡張を重ね、いよいよDOGMAとMSCのリリースで節目を迎える鎖×黒鳥。その仕上がりと展望を確かめるべく、またまた9SARI OFFICEに潜入してきたぞ!

 

 

 昨年から続く鎖GROUPBLACK SWANのEP連続リリースもいよいよ大詰め。その第5弾は、SATELLITEの一員として以前からMSCと関係の深かったDOGMAと、そのMSCによる待望の新作だ。両レーベルの長である漢 a.k.a. GAMIダースレイダーと共にDOGMAの声をお届けしよう。


――まずは昨年来の両レーベルの動きを簡単に総括してもらいたいんですが。

漢 a.k.a. GAMI「機能してるレーベルとして、要は目立ってナンボ。名刺代わりの動きでその目的は果たしたかな」

ダースレイダー「日本のヒップホップをおもしろくする余地あったでしょ?っていうのは証明できたと思う」

――今回DOGMAさんが鎖GROUPからEPを発表するわけですが、ここに至る流れを改めて聞かせてもらえますか?

DOGMA「そもそも漢さんが鎖GROUPを始めて、自分はどこに行けばいいのかな?みたいのがあって」

「SATELLITEも、俺が前のレーベルを抜けたことによって急遽アルバム作ったようなもんだったからね」

ダースレイダー「その頃は端から見てただけだけど、SATELLITEの3人は広い意味でMSCのメンバーだから、MSのとこでやりたいのが元々なのに、複雑だったよね」

DOGMA「またSATELLITEはSATELLITEでライヴしようと思ってた時に揉めたり。いろんなことがあって、いまやっとソロで録れることになったっていう」

 

――『GRASS HOUSE』全体のアイデアは?

DOGMA「ソロ名義の作品は初めてだったんで、いつも通りのテーマはありつつも、ちょっと内に向けた曲も作っとこうかなってところで、一つ元になるものないかなと思った時に〈家〉を考えて。普通の人間と自分では生き方が違う部分もあって、言いにくいことも曲なら言えるかなっていうのもあって家族や地元の物語を書いたりとか、鎖GROUPに入ってく自分が鎖で繋がっていくっていう曲を作った感じです」

――制作はどのように進んだんですか?

DOGMA「全体をストーリーっぽく曲順通り最初から作ってこうとしたんですけど、それで躓いたので逆に終わりの曲から作っていって、一曲一曲インパクト強いものを作った。キツい世界、汚い世界をフロウでバーッと聴かせることもできるんですけど、俺の場合、一個一個エグっちゃうんで、クドいところはやめといたほうがいいかなって思うところは考えましたね」

――EPの仕上がりはご自身でどう捉えてますか?

DOGMA「オープニングのセリフっぽいところから全部思い通りにできた。手に取りにくいジャケットかもしれないけど、中身はそんなことないような曲もあってバランスって意味でもいいし、頭ん中空っぽにして流してもらえるとおもしろい感じになってると思います」 

――EPの内容と併せて、DOGMAさんについてお二人はどう見てます?

ダースレイダー「ラッパーはある種のアクターだけど、キャラ立ち先行で行った結果、やれることが凄く少ない人もいる。DOGMAはそこも大丈夫で、このキャラ、この顔、この言い方みたいに入り込める」

「それが上手いとか下手とかってよりは、DOGMAは間違っててもやりきって100点思いっきり出しちゃう感じかな」

DOGMA「人を観察してる時に自分一人で演技したりとかしてるし、言っちゃったら刑事もののドラマとか見て真似するような感じはありますね」

「自然に演技する奴もいるけど、こいつの場合は確信犯的に、疑似体験以上のところまで入ってくから。だから具体的すぎてリアルな感じなんだろうね。だから99人はDOGMAカッコいいっていう中に生理的にダメっていう人が1人はいると思うよ。基本、考え方も危ない奴でしょ(笑)」

ダースレイダー「〈ホントかよ?〉って思える感じも含めたエンターテイメントだし、こういう境遇に置かれるとこうなっちゃうって表現が強く出てるよね。SATELLITEの作品にあった、怪しげなドロッとした部分はDOGMAのセンスだったんだっていうのも今回全開になってる」

 

 

――そんな『GRASS HOUSE』に対して、BLACK SWANからはMSC久々の作品がリリースですね(取材時に音は未完成)。

「メンバー皆がより自由形になって、言ってみれば史上初のスケジュールだから、〈ダースレイダーどうすんのかな?〉って思ってるけど(笑)。奇跡を狙っていきたがってんのかな?」

ダースレイダー「今回は漢とTABOO1PRIMALが中心なんだけど、まだこのスタジオで3人が揃ってるのを見たことないし(苦笑)。エンジニアのI-DeA君にも恐る恐る〈あのさあ……来週の月曜日から金曜日って何してる?〉ってお願いして〈えっ、長くない?〉みたいな(笑)。もう一週間ずっと来てもらってる感じで」

「まあ今回のEPはストリートの曲ってより、MSCのスピリット、内側オンリーだね、全体的に」

ダースレイダー「漢の『9sari EP』は逆に外の話、直接的な話だったけど、今回はMSモードっていう意味で、マインドゲームとしてのヒップホップをやってる」

「まあ内側って意味では『MATADOR』とかに近いかもしれない。音の感じもいままでのMSCの延長線上にあるし、ここまでの鎖やBLACK SWANのイメージとは違う音楽になるかな」


今回でひとまずEP連続リリースは終了し、両レーベルは今後制作の中心をアルバム単位へとシフトさせる。イヴェントも随時仕掛けつつ、種々メディアを巻き込んだ展開をさらに広げていくことになる。

――レーベルのここからの展望は?

ダースレイダー「先代の佐藤将がそもそもBLACK SWANを立ち上げた理由が、MSCの復活する場所を作ることだったんだ。ちょうど一周忌のタイミングでMSCのEPと佐藤さんのトリビュート・ミックスが出て、3月には新宿FACEで〈9SARI BLACK SWAN TOUR FINAL〉としてリリパもやる。〈UMB〉は他のMCバトルの王者もチャンピオン枠で出場してもらって、日本一のMCを決める大会として毎年やっていくし、秋の決勝大会はTV放送も決定してます」

――リリースについては?

「ここまでのEPでは俺もダースも制作にそれほど口は出してこなかったけど、次からは一つの作品ごとに時間を費やして、みんなが納得いく形でチームとしてのアルバム作りを毎回やっていこうと思ってる。そうなっていった時のアーティストの変化も楽しみにしてるよ」

ダースレイダー「レーベルはまだまだ変わってくから、見てる側はすげえおもしろいんじゃないかな」

 

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