話題のレーベル、鎖GROUPとBLACK SWANの短期集中連載がスタート。毎月のリリースに乗り遅れるな……
漢 a.k.a. GAMIとDARTHREIDERで幕を開けた、鎖GROUPとBLACK SWANの月刊EP攻勢。10月の主役はD.OとGOKU GREENという両極端なスタイリストたち。この振り幅こそが鎖×黒鳥の現在を示すものじゃないだろうか。
まず、鎖サイドから登場したのが、オリジナルの新作としては2年ぶりとなるD.Oの待望作『TOKYO RAP CARTEL』。劇画的に勇ましい表題曲に即ヤラれる輩も多いはずだ。また、漢がフックを担う“KUSARI GROOVE”は練馬ザファッカーからPIT-GObとT2K、DUCTHMONTANAを招き、DOGMAも交えた注目すべきポッセ・カットで、Nerima With Attitudeなトラックにもニヤリとさせられるはず。そして、D.O自身の原案による映画「HO~欲望の爪痕」を下敷きにした“SHOW’S OVER”は、話芸の冴え渡る実録ストリートスナップ。MASTERが名調子を聴かせる序曲から結びの“GET RESPONSE”まで物語性のある流れと共に、主役のデンジャラスなだけじゃないスキルフルな側面が堪能できることだろう。なお、鎖GROUPから11月に登場するのが昔D.M.Cを組んでいたHI-BULLETというのも何かの縁だろうか?
一方、黒鳥からは看板アクトともいえるGOKU GREENの『ACID & REEFER』が到着。表題そのままに彼一流の酩酊感はいよいよ極まり、Lil’OGIの妖艶なループで甘く爛れた不貞を綴る“Over”から不思議とラヴリーなサイケ感が全編を覆っている。浮わついた鼻歌が快いWATT a.k.a. ヨッテルブッテル製の“Lovely”、WAH NAH MICHEAL作のドラッギーな“Stoned Club”、妙にセンチメンタルな“まるでCali”など、まるで甘い煙に巻かれたような聴後感だ。そして……11月のBLACK SWAN作品は、今回“おくのへや”に客演しているPONYが飾ることとなる。 【次号へ続く】
D.O
東京は練馬を拠点に、お茶の間からニュース番組までを騒がせたハードコア・ラッパー。『JUST HUSTLIN’ NOW』(2006年)でのソロ・デビュー以来、未発の『JUST BALLIN’ NOW』も含めてフル・アルバム4枚とミニ・アルバム1枚を残す。今年はベスト盤『D.O THE BEST』を発表し、映画「TOKYO TRIBE」でも存在感を発揮。このたび『TOKYO RAP CARTEL』(鎖GROUP)をリリース!
GOKU GREEN
北海道は旭川在住のラッパー。ミックステープが話題となってコンピ『BLACK SWAN』(2012年)に参加した後、弱冠16歳で作り上げたファースト・アルバム『HIGH SCHOOL』が各方面で高い評価を得たBLACK SWANの生え抜き。2作目『THRILL OF LIFE』(2013年)の発表後はKLOOZやZeebraの楽曲にも招かれ、このたび『ACID & REEFER』(BLACK SWAN)をリリースしたばかり。