先日、朝日アートスクエアで4台ピアノ版日本初演があったこの曲の演者2人による、2台ピアノ版の新録。この4台初演のときと同じぐらい、既存の録音と比べても速いテンポで、しかしながら決してせわしなさを感じさせず、プリミティヴな躍動感をもって刻まれる音像は一言で言うとエモい。いわゆる現代音楽が主流だった曲が発表された70年代当時、初演者ですら戸惑いを隠せなかったというわかりやすい反復は、逆に陶酔をうみ、そのグルーヴは宗教的ですらある。横トリなど美術方面でも活躍する向井山朋子、現代音楽をレパートリーとし、デンハーグ音楽院で教鞭もとるゲラルド・バウハウスの2人。
向井山朋子とゲラルド・バウハウス、2人の現代音楽ピアニストが躍動感をもって刻んだホルト作品
Tomoko Mukaiyama Foundation
向井山朋子 , GERARD BOUWHUIS
『Simeon Ten Holt:Canto Ostinato』