「フリーダ・カーロの遺品」は数百点に及ぶ彼女の遺品と、それを撮影する写真家・石内都を追った小谷忠典監督のドキュメンタリー映画。そしてこの映像の音楽を担当したのがギタリスト・磯端伸一である。重苦しいサウンドが影を落とすかと思えば、諧謔的なメロディやピアノと共に歌われる美しい響きが顔を出したりもする。千変万化のギターが描き出す風景は、音だけで構築されたメキシコの世界。映像と合わせて現れる光景と、音楽のみで創られる光景とがまた違って感じられるのもサウンドトラックの醍醐味だろう。この作品もとりわけその類の感動を大きく感じられるのは音楽自体に強烈な"印象"があるから、と僕は思う。
映画「フリーダ・カーロの遺品」のサントラは磯端伸一が千変万化のギターでメキシコの世界を描き出す印象的な一枚
時弦プロダクション